最新の報道によると、Appleの「HealthKit」が、2つの大学で行われる医学的な試験プログラムで使用される予定だという。HealthKitは、医者とデータを共有できる機能を健康関連アプリに提供するプラットフォームだ。
スタンフォード大学病院とデューク大学は、HealthKitを使って参加者の健康に関する測定データの収集および共有を行う医学的な試験プログラムを計画しているという。Reutersが米国時間9月15日に報じた。Reutersによると、スタンフォード大学はHealthKitを使って、糖尿病を患う子供の血糖値を追跡するという。一方、デューク大学は同プラットフォームを利用して、がん患者や心臓病患者の体重や血圧など、さまざまな測定データを追跡するという。
HealthKitは6月、Worldwide Developer Conference(WWDC)で発表された。同プラットフォームは、健康情報の収集機能や共有機能を実装したいアプリ開発者向けに設計されている。Appleが想定する利用法は、HealthKitを同社のハードウェアと連携させて健康情報を収集した後、患者の許可を得て、そのデータを医者に送信することだ。
AppleのHealthKitは患者の健康情報を一元管理される。その保存先には患者の許可がなければ誰もアクセスできない。しかし、一旦患者の許可を得られれば、HealthKitは保健医療の向上と、医者が患者の健康に関するデータを受け取る方法の改善に多大な貢献をする可能性がある、とAppleは考えている。
糖尿病の追跡は多くの企業にとって、難しい問題だ。複数の健康関連企業はセンサとテクノロジを活用して患者の血糖値を非侵襲的に測定することを試みてきたが、ほぼすべての試みは正確な情報を提供することに失敗している。指に針を刺して血糖値を測定する実証済みの方法が今もベストプラクティスである。
糖尿病に関するスタンフォード大学の試験的プログラムでは、子供の血糖値を測定し、その情報を「iPod touch」で共有する。その後、その情報はHealthKit経由で医者と共有される。HealthKitを利用すれば、より迅速な共有が可能で、患者の容態に関する情報を電話やファックスで伝える長々しいプロセスを事実上回避することができる、とスタンフォード大学は主張する。デューク大学も自らの試験的プログラムで同じことを期待している。
Reutersによると、Appleはスタンフォード大学とデューク大学の試験的プログラムに関して、両大学と連携しているという。さらに、DexcomやEpicなど、HealthKitを自社製品に組み込むことを計画している複数の医療機器メーカーも参加する予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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