キヤノンは8月28日、家庭用インクジェットプリンタ「PIXUS(ピクサス)」シリーズの新製品として、「PIXUS MG7530」など4機種を9月4日に発売すると発表した。
新製品は、スマートフォンやタブレット、クラウドサービスとの連携を強化。全機種とも各種クラウドサービスと連携し、クラウド上の写真や文書を簡単にプリントできる「PIXUSクラウドリンク」に対応する。
PIXUSクラウドリンクは、PIXUS本体からはもちろんスマートフォンやタブレット用の無料アプリ「PIXUS Print」からも操作でき、外出先からでもインターネット経由で簡単に写真や文書をプリントできる。FacebookやTwitterの写真をプリンタ本体から直接プリントすることも可能だ。また、一部の機種でNFCに対応した。
日本国内におけるインクジェットプリンタの市場は、500万台~550万台で安定的に推移しているという。2014年の出荷台数は、消費税前の駆け込み需要やWindows XPサポートの終了があったことからやや増加し、国内では約571万台、全世界では約6641万台を見込む。
プリントのホストデバイスは、PCが微減する一方で、スマートフォンとタブレットが伸長している。キヤノンでは近年、スマートデバイスとの連携に力を入れており、2013年におけるスマートフォン・タブレットからのプリント率は30%を超える。キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長の川崎正己氏は「スマホ・タブレットからのプリントがここにきてようやく浸透しつつある」と語った。
ラインアップのうち、メインとなるのは4つのカラーから選べるプレミアムモデルPIXUS MG7530だ。キヤノンオンラインショップ価格は税別で2万8800円。NFCに対応する。NFCを搭載したスマートフォンやタブレットをプリンタ本体にかざすと、選んだ写真を自動的にプリントできる「PIXUSタッチ」を備える。本体カラーは、ブラック、ホワイト、ブラウンに加え、今回新たにオレンジが登場した。日本の住環境の主流を意識したカラーだという。
なお、PIXUS MG7530をベースに、女性向けに特化して企画した「PIXUS MG7530F/愛称:PIXUS Atelier」(2万9800円)も3万台の数量限定で販売する。スマートフォン用の新アプリ「PIXUS Atelier PRINT」を無償で提供し、ラッピングやBookカバーなどが簡単に作成できるテンプレートがダウンロードできる。
PIXUS MG7530と「MG6730」(2万3800円)は写真に強い染料インク5色(ブラック/シアン/マゼンタ/イエロー/グレー)と文字に強い顔料インク1色(ブラック)の6色ハイブリッドインクを搭載する。染料インクにはグレーインクを採用することで豊かな表現力と色安定性を実現したとしている。
スタンダードモデルは「MG5630」(1万6800円)で、染料インク4色(ブラック/シアン/マゼンタ/イエロー)と顔料系1色(ブラック)の合計5色のインクを搭載する。本体カラーは、ホワイトとブラックの2色がラインアップする。
このほかに、Wi-Fiを搭載したモバイルプリンタ「iP110」を11月上旬に発売する。価格は2万6800円。オプションのポータブルキット(バッテリ)を利用することで、電源のない環境でも約290枚のプリントが可能だ。iP110もMGシリーズと同様に、PIXUSクラウドリンクに対応。Evernoteなどと連携し、クラウド上の文書をプリントできる。
キヤノンでは個人向けに加え、ビジネス向けプリンタも強化。モノクロレーザー複合機Sateraシリーズ5機種とインクジェット複合機「MAXIFY」シリーズ5機種が発表されている。
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