「Android」OSは最初にスマートフォンに搭載され、その後タブレットにも採用された。そして今、Googleは自動車やスマートウォッチ、テレビセットトップボックス(STB)、電子メガネにも搭載したいと考えている。Androidの利用をこうした分野にも広げるため、Googleは同OSの新しいインターフェース「Material Design」を発表した。
GoogleはAndroidに関して、多くの点で成功を収めてきた。AndroidはスマートフォンOSで最高のシェアを誇っており、Googleは同OSがタブレット分野でもAppleの「iPad」に代わって首位に立つと見込んでいる。さらに、同社は新興市場向けの100ドルの良質なスマートフォンにもAndroidを搭載しようとしている。しかし、モバイル市場は極めて競争の激しい分野だ。そして、Googleは現状に満足していない。Googleの次期モバイルOS「Android L」は、同ソフトウェアの見た目を良くして機能を改善し、より多くの開発者とユーザーの支持を得るという同社の野望を具現化するものだ。
Android Lでプレビュー版を公開するというGoogleのアプローチは、完成するまでAndroidの新バージョンをリリースしなかった過去のアプローチと対照的だ。ベータテストとプレビュー版は熱狂的なファンを喜ばせる効果的な方法である。しかし、それよりも重要なことに、同社はプログラマーがより迅速に変化に適応できるようにしており、それによって、開発者のアプリを可能な限り早く、新しい外観と機能に対応させられるようになっている。つまり、Androidエコシステム全体の動きがこれまでより速くなるかもしれない。
では、「Android L Preview」にはどんな機能があるのだろうか。Androidユーザーインターフェース担当エンジニアのChet Haase氏と、同じくAndroidチームのプログラマーであるDan Sandler氏が変更点の多くを詳しく説明した。以下でそれらを紹介する。
スマートフォンのロック画面は有効に使うべきだということを、GoogleやAppleは徐々に理解しつつあり、Android Lではその有用性が大幅に拡張される。ただし、それはプライバシー制限の範囲内で行われる。ロック解除認証プロセスで保護されていない個人データを表示させたくないアプリ開発者やユーザーは、プライバシー制限を設定するだろう。
「Android Lでは、スマートフォンの通知音が鳴ったら、本体を取り出して電源を入れるだけでいい。ちらっと見るだけで、内容を完全に把握できる」(Sandler氏)
現行の「KitKat」と同様、通知はカードという形で行われるが、KitKatのような黒っぽい外観ではなく、白地に黒のテーマが採用されている。誰からどのような通信手段で連絡があったのか、といったことをユーザーがより素早く把握できるようにするため、より多くのグラフィカルな要素を通知機能に組み合わせることもできる。通知機能は「Material Design」の奥行きの情報も利用可能で、画面で下の層にあるものに影を表示する機能などを備える。
Android L Previewは、アプリ開発者が提供するキューなどに基づいて、カードをよりインテリジェントにソートしようとする。Googleは、より簡単にメディアコントローラカードを作成できるようにする新テンプレートを導入した。それは、動画や音声を早送りしたり、一時停止したりするようなものだ。
この新しい通知システムは、スマートウォッチ向けの「Android Wear」でも採用されている。
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