KDDI、沖縄セルラーは6月25日、国内音声通話定額プラン「電話カケ放題プラン」と6つのデータ容量から選べるデータ通信料定額サービス「データ定額」を組み合わせた新料金「カケホとデジラ」を発表した。8月13日から開始する。カケホとデジラは、電話カケ放題とデータ自由ライフという意味を持つ。
電話カケ放題プランは、基本料金2700円(4G LTEスマートフォン、誰でも割適用時)のみで通話時間や回数を問わず国内通話を定額で利用できるサービスだ。auケータイ向けの基本料金は2200円(誰でも割適用時)。
KDDIのデータ定額は、2Gバイト(3500円)、3Gバイト(4200円)、5Gバイト(5000円)、8Gバイト(6800円)、10Gバイト(8000円)、13Gバイト(9800円)の6つの容量から選べる。さらに契約のデータ容量が不足した場合、0.5Gバイトから購入できる「データチャージ」も可能にする。
このほか、データギフトは両親から子どもに指定のデータ容量を贈るなど、必要に応じて家族間でデータ容量を追加料金の追加なしで贈りあえるようにする。さらに、長期利用者向けに、auからの契約期間に応じて定期的にデータ容量をプレゼントする「長期優待データギフト」も用意する。対象となるのは6年目以降のユーザーで、3カ月ごとに年数とデータ定額プランによって+0.5Gバイトから最大2Gバイトまで増量する。
音声とパケットをセットにした新定額サービスは、NTTドコモが4月に「カケホーダイ&パケあえる」を発表。ソフトバンクモバイルは「スマ放題」を発表し、先行してスタートしている。
料金を比較すると、音声通話のかけ放題は3社横並びで2700円となる。この料金は高いのではないかと記者に問われ、KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は「本音のところでは、少し高い気がしないでもない。ただ、気になっているのは、調査によるといま電話しない方も、使い放題になると4割増えるという調査結果もある。微妙なところだと思っている」とコメントした。なお、KDDIでは、従来型の料金プランも選択できるようにする方針だ。
データ通信の部分に関しては、他社よりも細かくデータ容量を設定したと説明する。他社にはない3Gバイトや大容量の13Gバイトを設定し、大容量の契約ユーザーは1Gバイトあたりの単価を他社よりも安く設定したとした。
「他社と違うところに向かって行きたいという思いが強い」──そう語る田中氏はポイントとして「データギフト構想」にあるという。
NTTドコモは家族で分け合える“シェアード型”を採用している。ソフトバンクは家族内でのシェアに加えて使い切れなかったパケットを翌月に繰り越せる“繰り越し型”を採用している。
家族シェアで契約した場合、誰かがたくさん使ってしまうと、容量制限で速度が遅くなる場合がある。その場合、誰が追加データを買うのかという問題が起きると指摘する。一方で極度に節約してしまって不自由になったり、余ってしまったら「もったいない」という問題が起きると話す。「シェア型は、家族を定義して、最初に想定してアカウントオーナーだけが例えば10Gバイトといった容量を買う方式。お父さんがお子さんをコントロールしないといけないようなケースなど、家族密着度が高いところではそういうのが合う。でも子どもの自主性が強くなってくると、ギフト型のほうが一致すると思っている」(田中氏)と説明した。
ギフト型については、「家族それぞれが自分に合ったフィアードプランに契約する。それぞれの人が余ったデータをいつでもギフトとしてあげられる。例えば、5Gバイトのプランに入りました。だけど今月は3Gバイトしか使わず2Gバイト余るので息子にあげよう。そこでスマホでピピッと操作すると移行できる。例えば、シニアの方が、少し上のプランに入ってもいい。そんなに使わないけれど、孫にギフトとしてあげる、みたいな使い方ができる」(田中氏)とした。
この新しいプランを設定した背景として、料金におけるニーズの変化があったと説明する。スマートフォンの浸透率は、2013年度末で半数に近い。
ユーザー層を調べてみると、イノベーターやアーリーアダプター層(新しいものを進んで採用する人、使いこなしている人)はデーター容量が7Gを超える人が15%に上る一方で、使い始めのレイトマジョリティ層は3Gバイト未満が大半だ。
KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は、「スマートフォンの普及も半分までくると、(料金プランも)1種類で使い放題という世界から、それぞれのクラスタにマッチした料金を提案していかなきゃいけない時期にきている。ティアード(段階別)の料金を設定しなければならない。グローバルで見てみると、LTEの世界は米国と韓国が進んでいるが、すでにティアードプランになっている。これからのところはまだフラットがある。思い出していただくと、ガラケーの時代は、ティアード型の料金プランだった。それがだんだんフラットになって、もう一度ティアードに戻りつつある時期を迎えている」と語った。
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