Googleは米国時間6月3日、非暗号化メールに対して2本の柱からなる取り組みを開始した。ウェブメールプロバイダーがユーザーのウェブメールを暗号化していないことを明かしつつ、新しいブラウザアドオンによって、「Pretty Good Privacy(PGP)」という強力な電子メール暗号化規格を個人が簡単に導入できるようにした。
Googleは3日に「Transparency Report」をアップデートし、「Safer Email」という新しいセクションを設けた。同セクションには、Googleが「Gmail」で観測したトラフィックに基づき、サーバからサーバまで暗号化されるのは全送信メールのわずか半数だというウェブメールの状況が記載されている。
より多くのウェブメールプロバイダーにサーバ間の電子メール伝送すべてを暗号化するよう求めることを目的とするTransparency Reportのアップデートに加えて、Googleは、「End-to-End」という荒削りなアルファ版のアドオンをリリースした。この「Chrome」エクステンションは、ウェブメールに対して初めて、効率的かつ比較的使いやすい形でPGP統合を可能にするものである。
同社は、Edward Snowden氏の暴露文書で引き続き明らかにされている米政府機関の盗聴行為を特に指摘してはいないが、Snowden氏が政府の盗聴行為を暴露してからの1年間で、このようなツールの開発が加速したことは明らかである。製品開発においは競合関係にあるかもしれないFacebook、Google、Microsoftなどの企業が協力して、政府による違法な盗聴行為とみなすものに対抗している。
これらのツールは、情報を求める政府機関の召喚状に従うというほぼすべてのハイテク企業の方針を変えるものではないが、Microsoftは最近、広範囲に及ぶ口外禁止命令が盛り込まれていたとして政府要請に異議を申し立て、要請取り下げに持ち込んだことを報告している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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