シャープは5月12日、2013年度(2013年4月~2014年3月)の連結業績を発表した。
売上高は前年度比18.1%増の2兆9271億円、営業利益は2012年度の1462億円の赤字から1085億円の黒字に転換。経常利益は2064億円の赤字から532億円の黒字に、当期純利益は2012年度の5453億円の赤字から115億円の黒字となった。最終利益が3年ぶりの黒字となった。
シャープ代表取締役兼副社長執行役員の大西徹夫氏は「2月公表値をクリアし、利益ではすべての項目で大きく改善し、黒字化した。健康・環境分野は、急激な円安の影響があり減益となったが、デジタル情報家電や太陽電池、液晶が利益に貢献した。この手を緩めることなく、各事業の収益力向上を図り、2014年度の計画達成、2015年度の中期経営計画の達成につなげたい」とした。
シャープ代表取締役社長の高橋興三氏は「中期経営計画の1年目としては結果が出ているが、それはあくまでも3分の1。太陽電池も2013年度は好調だが、2014年度は厳しくみている。単年度で見るのではなく、中期的にとらえていきたい」などと語った。
部門別業績は、プロダクトビジネスの売上高が2012年度比13.7%増の1兆8181億円、営業利益は2.3倍となる968億円となった。そのうち、デジタル情報家電の売上高が0.1%増の7333億円、営業利益が2012年度の98億円の赤字から128億円の黒字に転換した。
「液晶カラーテレビが米州、欧州で低迷したが、日本や中国、新興国で伸張し、携帯電話の新製品投入も寄与し、損益が改善した」という。液晶テレビの販売金額は6.6%増の4138億円、販売台数は前年度比2.7%減の781万台となった。携帯電話の販売金額は前年度比10.5%減の2055億円、販売台数は9.8%減の551万台。
プロダクトビジネスのうち、健康・環境の売上高は前年度比5.6%増の3268億円、営業利益が34.7%減の210億円。消費税率引き上げに伴う期末の駆け込み需要から大型冷蔵庫や高機能エアコンが好調に推移。微小粒子状物質(PM2.5)問題に伴い空気清浄機も成長した。だが、円安の進行で輸入製品の採算が悪化し、収益性が低下したという。
太陽電池の売上高は前年度比68.9%増の4390億円、営業利益は2012年度の44億円の赤字から324億円の黒字に転換。「国内市場でメガソーラーなどの産業用が好調に推移。海外デペロッパー事業が売り上げ、収益に貢献した」という。
ビジネスソリューションの売上高は前年度比7.4%増の3188億円、営業利益は25.5%増の305億円となった。海外での複合機が好調に推移し、インフォメーションディスプレイが国内外で伸張した。
デバイスビジネス部門の売上高は前年度比17.9%増の1兆3174億円、営業利益は2012年度の1545億円の赤字から448億円の黒字に転換。そのうち、液晶の売上高は前年度比17.0%増の9910億円、営業利益は1389億円の赤字から415億円の黒字となった。「スマートフォン向けを中心に中小型液晶が伸張し、モデルミックスが改善。特許関連などのエンジニアリングビジネスも清、大幅な増益を達成した」という。
電子デバイスの売上高は20.6%増の3263億円、営業利益は155億円の赤字から32億円の黒字に転換した。「スマートフォンなどのモバイル機器向けカメラモジュールが堅調に推移。だが、モデルミックスの悪化、LEDデバイスの在庫処分などで下期赤字となるものの、年間では黒字を確保した」という。
2014年度の通期業績見通しは、売上高は前年度比2.5%増の3兆円、営業利益は前年度比7.9%減の1000億円、経常利益は前年度比6.2%減の500億円、当期純利益は前年度比159.5%増の300億円とした。
部門別業績見通しは、プロダクトビジネスの売上高が前年度比2.6%減の1兆7700億円、営業利益は38.0%減の600億円とした。そのうち、デジタル情報家電の売上高が6.4%増の7800億円、営業利益が55.8%増の200億円。
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