サムスンの米国モバイル部門の販売事業担当バイスプレジデントは、Steve Jobs氏の死に対する反応をAppleに反撃する好機と見なしていた。
今週、Appleとサムスンの法廷闘争の一環として、ある文書が公開された。その文書を見ると、Samsung Telecommunications America(STA)の全米販売部門を統括するMichael Pennington氏が、2011年に継続的にやり取りされた一連の電子メールの中で、自身の見解を述べていることが分かる。
米CNETが受け取った文書のコピーに書かれているように、Pennington氏はJobs氏の死去からわずか2日後に当たる10月7日付のメッセージの中で、次のように述べていた。
「残念なことに、Steve Jobs氏の死去により、『情熱的かつ精力的で完璧主義者』のJobs氏が創造したAppleと『iPhone』の『優位性』がメディアで大々的に取り上げられてしまった。私が言いたいのは、Appleが意図せぬ恩恵を受けているということだ。なぜなら、Jobs氏は偉大なビジョナリーで完璧主義者だったので、Appleの製品はほかより優れているという認識を消費者は持っており、サードパーティーが外部に発信したメッセージはすべてそうした認識を強調したり支持したりしているからだ。そのような人物が開発したデバイスを購入することに幸せを感じない消費者がいるだろうか」(Pennington氏)
「この問題を繰り返し持ち出して申し訳ないが、私はあまりにも長い間、この現象を見てきた。そして、今はサムスンがiPhoneを攻撃する最高の機会だと私は確信している。私が最初に提案したアプローチに関して合意を得られないのなら、もうこの問題は持ち出さない。しかし、私は当社の戦略をより深く理解し、それに沿って行動できるようにしたい」(Pennington氏)
Appleとサムスンは米国時間2014年3月31日に始まった裁判で、最新の特許戦争を繰り広げている。両社はお互いに相手側が特許で保護された特定の機能を模倣して、自社のモバイルデバイスに搭載したと主張している。
米CNETが4月、本件に詳しい複数の情報筋の話として報じたように、ここ2カ月の間にサムスンの米国モバイル部門の少なくとも5人の上級幹部が同社を退社、または退社届を提出したが、Pennington氏もその1人である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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