Appleがインターネットに接続するテレビセットを開発中だとするうわさは、2009年以降に出回り始めた。こうしたうわさには、Appleが2012年末か2013年初めまでにテレビセットを作るだろうとする、あるアナリストによる予測も含まれていた。ところが、Jobs氏が最高経営責任者(CEO)を辞任するわずか数カ月前に召集された、2010年の社内会議において、Jobs氏は上層部の社員らに向けて、テレビセットの利益率と買い替え需要の低さからいって、Appleが今後テレビセットをリリースすることはないだろうと語っていたという。米国時間3月18日に発売予定の新著にそのことが記されている。
The Wall Street Journal元記者のケイン・岩谷ゆかり氏が執筆した新刊書「Haunted Empire: Apple After Steve Jobs」の中では、Appleが本当にテレビセットを作るのかどうかについての質問が同社のある会議の場で投げかけられた様子が綴られている。この会議は、Appleが同社幹部、マネージャー、従業員を含む上層部100人を集めて毎年行っている「Top 100」会議と呼ばれるもの。Business Insiderが16日に公開した、岩谷氏の著書からの抜粋によると、Jobs氏は会議の出席者に対し、「どんなに馬鹿げた質問や、失礼な質問」でも構わないので、Appleについて何でも質問してほしいと呼び掛けたという。
どうやらある従業員が、Jobs氏のこの勧めに応じて、Appleがまもなくテレビセットをリリースするつもりかどうかを質問したようだ。
岩谷氏によると、「Jobs氏は迷わず『ノー』と答えた」という。
岩谷氏の説明によると、Jobs氏は「TVはひどいビジネスだ」と述べ、「買い替えは進まず、利益率も最悪だ」と語ったという。
このエピソードは、2011年に発表された伝記「Steve Jobs」に書かれているいくつかの内容と矛盾しているようだ。同書の執筆者Walter Isaacson氏は、Jobs氏がコンピューティング、音楽、電気通信業界を変革したのとほぼ同じやり方で、テレビ業界を変えたいと望んでいたことを示唆している。
岩谷氏は、この会議に出席した従業員の中にはJobs氏の発言を信じる人もいたが、同席していた「ベテラン社員」の中には、Jobs氏がまったくの真意を語ったとは思わない人もいたとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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