Microsoftは、反Googleキャンペーン「Scroogled」(「Scroogle」は、小説「クリスマスキャロル」に登場する冷酷な守銭奴ScroogeとGoogleの造語)をひっそりと終了させたのだろうか。
Bing Experiencesチームを率いる同社のコーポレートバイスプレジデントであるDerrick Connell氏は、Yabblyの主催で先週末に実施されたQ&Aセッションで、Microsoftが「(Scroogled)キャンペーンを終えた」として以下のように述べた。
--Q:Scroogledキャンペーンについてどう思っていますか。
A:まず、あのキャンペーンの主な目的を説明しておきたい。それは、われわれが企業として好ましくないと考えている行為(例を挙げると、広告を販売する目的でユーザーの電子メールをスキャンするという考えは誤っているように思えた)に対して注意を喚起するというものだった。われわれは企業として、信頼できるコンピューティング、そしてユーザーのプライバシーをとても重視している。われわれは、自らの理念に合わないことが業界内で起こっていると感じたため、コンシューマーに対する情報提供という目的であのキャンペーンを展開した。
遊び心のある方法で意識向上を図るというのは難しい。私は、われわれがその目標を達成し、ある種のポリシー変更を導き出せたと考えている。そしてわれわれはキャンペーンに終止符を打った。どのように思われるのかとは関係なく、それを実行するという決断を下したことを私は誇りに感じている。
筆者はMicrosoftに対して、Scroogledキャンペーンが本当に終了したのか、そして終了するという決断を最終的に下したのはいつだったのかを問い合わせたところ、広報担当者から以下のような回答が送られてきた。
「われわれは、マーケティングキャンペーンを常に評価し、進化させている。われわれの考え方が競合他社とどう異なっているのかを強調するためにマーケティングを行う場合もあり、Scroogledキャンペーンもその一例だ。前へ進んでいくなかでわれわれは今まで通り、適切な時期や状況であると判断した際に、正しいアプローチと戦術をことごとく実行していくつもりだ」(広報担当者)
ここで留意しておくべき点がいくつかある。まず、Connell氏は無作為に選ばれた一般従業員ではないという点だ。同氏は、Microsoftのエグゼクティブバイスプレジデントで同社のApplications and Services Groupを率いるQi Lu氏の直属の部下である。Connell氏の率いるBing Experiencesチームは設計や、Bing.comのホームページ、Bingの垂直検索、MicrosoftにおけるBingを活用したサービスに注力している。しかし、Connell氏はマーケティング担当者ではない。
また、Microsoftの公式回答に示されているように、Scroogledに何が起ころうと、また何が起こったとしても、同社はGoogleとの戦いをやめようとしているわけではない点にも留意しておくべきだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」