UPDATE カリフォルニア州サンノゼ発--Appleの弁護団は米国時間4月1日、当地の裁判所に対し、サムスンがAppleの「iPhone」にどう対抗し競うかを模索する中で、同デバイスを模倣したと述べた。弁護団は、そのためサムスンはAppleに約20億ドルの損害賠償金を支払うべきだとした。
Appleの対サムスン特許侵害訴訟で主席弁護士の1人であるHarold McElhinny氏は、冒頭陳述の中で、サムスンは「iPhoneに十分対抗できる製品を単に有していなかった」ことを認識していたと述べた。McElhinny氏は、サムスンでモバイル部門の責任者を務める申宗均(シン・ジョンギュン)氏のコメントが書かれたメモを含むサムスンの内部文書を引用した。このメモには、サムスンが「設計の危機」に見舞われており、Appleに対抗する方法を見つけなければならないと書かれていた。
「本訴訟でこの証拠が示しているのは、サムスンがiPhoneを模倣したこと、および他にも、Appleの製品群にはまだ現れていない同社の斬新な発明の多くを取り込んだことだろう。サムスンは明確に、本訴訟で争点になっている諸機能を模倣することを選んだ」(McElhinny氏)
McElhinny氏は、サムスンが特許を侵害したデバイスをこれまでに3700万台以上販売したと述べた。仮に両社が特許使用料を交渉していたら、サムスンはデバイス1台あたり平均33ドルを、あるいはAppleが保有するソフトウェアの特許5件すべてを利用する場合はデバイス1台あたり40ドル(全体で約20億ドル)を支払っていたはずだ。この金額は、人気ブログサイトFOSS Patentsを運営するFlorian Mueller氏のような専門家からは、極めて高額だと考えられてきた。
ただしAppleは、他にも訴訟を抱えていたとはいえ、またサムスンにデバイスを模倣されて利益が損なわれているのを認識していたとはいえ、サムスンと交渉すべきだったと主張した。Appleは、自らの性分にまったく反すること(サムスンと和解すること)を強いられるこのシナリオで、サムスンから可能な限り多くの使用料を得ようとしただろう。
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