ソニー「Project Morpheus」を使ってみた--「PlayStation 4」用VRヘッドセットの第一印象 - (page 2)

Eric Franklin Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年03月26日 07時30分

 グラフィックスに関して言えば、同ゲームはまずまずだったが、檻の格子にエイリアシングが多数発生していることに気づいた。しかし、サメが姿を現すと、はるかに興味深い状態になった。これは現実を模したものにすぎない、ということを自分に言い聞かせなければならない瞬間が何度かあった。

 CastleのデモはThe Deepよりずっと楽しかった。実際にできることがはるかに多かったからだ。このデモは、片手に1つずつ持った2つのMoveコントローラで操作する。デモの最初に、中に誰も入っていないように見える中世風の甲冑が登場し、ユーザーはそれを好きなように弄ぶことができる。

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提供:Josh Miller/CNET

 筆者は甲冑の腕と足の部分をパンチで吹き飛ばしてみたところ、どれだけ速く、つまりどれだけ強く甲冑を殴っているのかを追跡するProject Morpheusの性能の高さに、とりわけ感銘を受けた。同僚のNick Statt記者は、Moveコントローラのトリガーを使って甲冑をつかみ、3Dスペース内の自分の手を適切な場所まで動かして、甲冑のもう1本の腕をもぎ取り、その腕で甲冑を滅多打ちにした。筆者の印象では、Statt記者はこれを少し楽しみすぎていると感じた。

 また、Castleではさらに広い範囲を動き回ることが可能だったが、ソニー関係者は筆者に対し、システムの再キャリブレーションが必要になるので、今いる一般エリアから離れないように勧めた。ボウガンが登場する場面もあり、筆者が狙いを定める動作を正確に追跡しているようだったが、追跡機能のバグのせいで、矢を放つたびにインターフェースがフリーズした。

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提供:Josh Miller/CNET

 デモの最後に巨大な竜が登場し、筆者を丸呑みしようと近づいてきたとき、その竜は実際に眼前に立っているわけではない、ということを筆者は再び自分に言い聞かせなければならなかった。

 実際のMorpheusハードウェア自体はかなり軽量で、装着方法も簡単にわかる。ピント合わせの性能もOculus Riftを上回る水準まで向上したようだ。Riftでは、ゴーグルをできるだけ顔に押しつけなければ画像が鮮明にならなかったが、Morpheusの画像は、ゴーグルが数インチ(1インチは約2.54cm)離れているときでもピントが合っていた。

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提供:Josh Miller/CNET

 Morpheusヘッドセットの使用を開始してから数分後、筆者は鼻に強い圧迫感を覚えた。また、ごく短時間でヘッドセットの内部が汗まみれになった。Riftを使ったときには経験しなかったことだ。ただし、両ヘッドセットとも調節は可能になっている。

 筆者がMorpheusに触れた時間は全体的にかなり短く、筆者は展示されていたテクノロジに感銘を受けたが、もっと没入的な体験がたくさん提供されるようになるまで、MorpheusやVR全般について正確な判断を下すことはできない。現時点では、さまざまな部品が多数必要なこと、そして、魅力的なソフトウェアが不足していることを考えると、VRはまだ全体的に物珍しい仕掛けという感じがする。しかし、大きな可能性を秘めたものであることも確かだ。

 価格や発売日など、答えが明らかになっていない疑問はまだ多いが、それよりも重要なのは、従来型のゲームより没入感とインタラクティブ性が増し、われわれの関心を引くほどのものになるのか、という問題かもしれない。筆者はそう思うが、現在提供されているVRゲームをプレイした限りでは、筆者が実際に購入を検討する製品が登場するまでには、まだ何年もかかるだろう。筆者は従来型のゲームに今でも満足している。

 多くのゲーム開発者が奮闘したにもかかわらず、「Kinect」やMoveのようなモーションコントローラで操作するゲームは、ソニーやMicrosoftが想像したほど普及しなかった。VRがそれとは違う結果をもたらす可能性はあるのだろうか。ソニーの最新の試みには、ほかのあらゆるVRソリューションと同様に、その価値をメインストリームの消費者に納得させるという難題が待ち構えている。

「サンバDEアミーゴ」をプレイしたい人はいるだろうか。いてくれるといいのだが。
「サンバDEアミーゴ」をプレイしたい人はいるだろうか。いてくれるといいのだが。
提供:Josh Miller/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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