ソニーは2月6日、2014年3月期第3四半期(10~12月)の連結決算を発表した。エレクトロニクス4分野における業績改善と金融分野の好調により、増収増益となった。
売上高は前年同期比23.9%増の2兆4128億円、営業利益は同94.6%増の903億円、税引前利益は898億円、当期純利益は270億円となった。為替の好影響を受けたほか、テレビやスマートフォンの収益改善、ゲームや金融、音楽事業などの好調により、大幅な増益になった。
しかし、通期見通しについては第3四半期における減損と評価減の計上、さらに事業の収益改善施策に伴う追加構造改革費、一部資産売却計画の見直しなどから、10月時点の想定を下回る業績予想を発表。売上高は7兆7000億円と10月時点の想定を据え置いたが、営業利益は800億円(10月想定時は1700億円)、税引前利益は800億円(同1800億円)で、当期純利益は1100億円の赤字(同300億円の黒字)となる見込みだ。
今期好調に推移したのは「PlayStation 4」を海外で発売したゲーム分野と、大幅な販売増となったスマートフォン。また金融、音楽分野も大幅な増益になった。
コア事業の1つと位置づけられるデジタルカメラなどを持つ、イメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)分野は、売上高同6%増の1981億円、営業利益は同29億円の赤字から121億円の黒字に転換した。デジタルカメラ市場が冷え込む中「自社開発デバイスの開発による差異化、レンズ交換式一眼デジカメやコンパクトデジカメなど高付加価値化戦略が実を結んでいる」(ソニーの代表執行役EVP CFOの加藤優氏)と分析する。
またホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)分野は、売上高が同24.8%増の4040億、営業利益は同80億円の赤字から64億円の黒字を達成。7月に分社化することが発表された液晶テレビは、4Kテレビなどの高付加価値モデルが功を奏し販売台数を増加。費用削減においても損益改善に寄与したとのことだ。
なお、第3四半期において減損、評価損を計上するのは、デバイス分野の電池事業で321億円、モバイル・プロダクツ&コミュニケーション(MP&C)分野のPC事業で82億円の減損、ゲーム分野で一部のPC向けソフトウェアタイトルの評価減62億円となる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス