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ヤフーとしてあるべき“検索”の姿--宮澤氏が挑む「日本に答える検索」 - (page 2)

別井貴志 (編集部) 日沼諭史2014年03月19日 11時10分
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--社長の宮坂さんにインタビューした時は、EC系や旅行系のコンテンツだけでなく、検索についても「革命起こすためにやっていく」とおっしゃっていました。それについて詳しい話はありませんでしたが、事業部制から社内カンパニー制に変わり、今後はどういう形で進めていきますか。

 今まで検索について何も話してこなかったのは、ある程度「“日本に答える検索”だよね」と認知してもらえるようなプロダクトを作ってから言わないと、“やります詐欺”みたいになってしまって嫌だったからです(笑)。検索は大きなサービスですし、しっかり整ってから「こういう考えで、こういうことをやってきたんです」とお伝えしたいと思ってたので、1年ほど準備期間をいただきました。

 検索についても、着実に実行しやすくなるカンパニーという体制を会社として用意してくれたので、あとはやり続けるだけかなと思っています。おかげさまでヤフーの新しい検索についても、ものすごい勢いでユーザーが増えてきています。この調子で伸ばしていければと思います。

--その伸びとは、具体的な数値としては?

 具体的には言えませんが、スマートフォンの市場出荷台数の成長率をはるかに上回る数字で検索が伸びています。ユーザーがヤフー検索を意図的、主体的に使ってくれているのではないかと見ています。特にリアルタイム検索はスマートフォンの通常検索の、さらに4倍くらいのペースで伸びています。リアルタイム検索は、渋滞や事故といった交通情報をはじめとして、芸能人の目撃情報など、あらゆる場面で使われていますが、すごくスマートフォンに向いたサービスじゃないかと思っています。

--リアルタイム検索といえば「ヤフー」という感じですね。

 ほかでも、「Yahoo!乗換案内」のアプリもNAVITIMEとずっと首位を争っていますし、Googleマップを超えて1位になることもあります。かなり好調ですね。ここだけの話、NAVITIMEが有料で提供している機能も、「Yahoo!乗換案内」では無料で提供していたりするんですよ。

およそ検索アプリとは思えない新アプリ「SmartSearch」

--ここ何年かは検索クエリー、データの利用の仕方にすごい力を入れているなと思っています。たとえば3.11の時の検索データをまとめて振り返ったり、「Yahoo! JAPAN景気指数」を導き出そうとしたりしていました。誰が、いつ、どこで、何を検索をしたのかというクエリーのビッグデータは、もっと活用できるんじゃなですか。

 ビッグデータはもっと活用していきたいと思っています。3.11から3年経った2014年は検索分野では「3.11、検索は応援になる。」として、この中で3.11以降の3年間で検索された地震関係のキーワードをビジュアルで見せるというコンテンツを用意しました。検索は人が最も気になっていることを顕在化したニーズが含まれているので、その移り変わりがよくわかるんです。

 たとえばテレビを見ながらスマートフォンを使っている人が多いようで、人物検索もすごくされます。逆に言うと、一時期は検索されまくっていたけれど、今はまったく検索されなくなった人とか、そういう移ろいもわかります。インフルエンザの流行や選挙の予測、震災後の復興の状況確認など、あらゆることに有効に使える手段があると思っていますので、大いに活用していきたいですね。

--スマートフォンでの検索とPCでの検索で、それぞれにやり方や考え方の違いがあると思いますが、そのあたりはどうですか? ユーザーの行動も異なると思いますが。

「スマートフォンはすべて親指で完結させたい」と宮澤 弦氏 「スマートフォンはすべて親指で完結させたい」と宮澤 弦氏

 基本的にPCにはキーボードがあるのに対して、タブレット、スマートフォンはキーボードがありません。全部親指だけで完結できなきゃいけない世界だと思っています。

 よく僕が社内でみんなに言っているのは、「親指だけでたどりつけるようにしよう」ということです。文字入力してもらわなくても、なんとなく自分が知りたいものに親指でタッチしていけば情報にたどりつけるような世界を作っていこうということです。

 実は、検索に関連する「SmartSearch(スマートサーチ)」というアプリを開発しました。このアプリは実験的な取り組みという位置づけです。キーワードを入力しなくても、いろんなことがわかるような仕組みですね。まずはiOS版からリリース予定で、今話題の画像を表示して、カード式のユーザーインターフェースで、どんどん横に展開していけます。検索結果からは文字をほぼなくし、ウェブサイトのキャプチャ画像を表示して、それを見て興味がなかったら左にフリックして次に行くというかたちです。

 ヤフーがゼロから開発したまったく新しいアプリで、バックエンドはもちろんGoogleエンジンですが、情報の見せ方がぜんぜん違います。およそ検索アプリとは思えないものになっています(笑)。当初は先着限定1万人に公開して、そのフィードバックを受けて4月か5月に本ローンチを、と考えています。どんどん改良して、ユーザーと一緒に作っていくという感覚ですね。

--アプリの画面を見ると、およそ検索のアプリには見えませんね。検索キーワードをきっかけとした、いわゆるまとめページになっていますよね。まとめページでありながら、その中ではぱっと見た目でわかる画像を見せるべき、といった考えが具現しているような気がします。

 かならずしもみんながWikipediaのような文字ばかりのコンテンツを読みたいわけではないと思っています。直観的に「この人誰だっけ? 誰と付き合ってるんだっけ?」といったことがわかるような方が、日本人には受けるかもしれないのではないでしょうか。画像とか検索とかで切り替えるのではなく、すべてが幕の内弁当のようにして1ページを作り込んだ方が、スマートフォンには合っていると思うんです。

ヤフーはレベルの高いサッカーチーム

--「ファミマけんさくーぽん」のように、リアルと結びつけるような取り組みで他に考えていることはありますか。

 日本のように、コンビニがたくさんあって電車が定時に来るといった、社会インフラがきっちりしている国はそんなにないと思います。この環境を活かして、検索からコンビニに来店して生活がより便利になるようにするとか、そういうものはどんどん提案していきたいと思っています。

 あとはスマートフォンからお店の予約までできるようにしたいと考えてます。今はまだ飲食店の空席情報までは得られていないので、こうしたものを取り込めれば……。急な出張などが入っても、ホテルの空き室情報を確認して予約が取れるようにする、といったことも考えられます。

 ちなみに、駐車場の満空情報はデータをいただいていて、横浜ランドマークタワー周辺では、今空いている場所をスマートフォンで見られるようになっています。空間の混雑状況のようなものは、もっと検索を使って可視化したいですね。

--一通り話を聞いて最初に戻ってしまいますが、1年たったところで、検索って、ヤフーって、どうですか。

 検索って世の中に登場してから結構長いじゃないですか。もういいかげん検索は終わりだ、時代遅れだ、みたいな雰囲気もありますが、携わってみてわかったのは、まだまだいろいろやれるなということです。むしろ、やれてないことがいっぱいあるじゃんっていうのを感じています。世の中にクロールできていないものはまだまだたくさんあるので、そういうデータをきちんと整理していけば、もっともっと生活が便利になるはずです。それってめちゃくちゃおもしろい(笑)。

 ヤフーに関しては、1年経ったいまも“僕がいる”ということは、楽しいということなんだと思いますよ。ベンチャーからヤフーに入りましたが、つまらなかったり耐えられなかったりしたら辞めているはず(笑)。正直、今ヤフーって、ベンチャーより動きがありますし、ヤフーほどの規模だからこそできる募金みたいなプロジェクトも実際にできますし、そこはすごく楽しいです。

 みんなでレベルの高いサッカーチームに所属していて、サッカーの試合をしているような感じですね。社長の宮坂のようなミッドフィルダーから強烈な球が飛んできて、「ゴールしなきゃ」みたいなプレッシャーがいつもあったり(笑)。でもゴールキーパーは頑丈に守ってくれてるし、という感じで毎日がワクワクしています。

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