ヤフーとしてあるべき“検索”の姿--宮澤氏が挑む「日本に答える検索」

別井貴志 (編集部) 日沼諭史2014年03月19日 11時10分
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 自ら創業したシリウステクノロジーズで、位置情報と連動したモバイル広告プラットフォームを手がけてきた宮澤 弦氏。2010年に同社がヤフーに買収されてからは、ヤフーの事業推進本部長を務めたあと、メディアサービスカンパニー検索事業へと異動し、メディアサービスカンパニー検索事業責任者を務めてきたが、2014年4月1日付けで執行役員検索サービスカンパニー長に就く。

 ストア出店料と売上手数料の無料化や、宿泊予約サービスの新戦略など、直近ではショッピング関連の話が注目されがちだが、“検索”はヤフーの屋台骨とも言えるサービスだ。これを支えるメンバーとして、宮澤氏はこの1年間どんな活動をしてきたのか。また、ヤフーの考える“検索”とはどういうことで、今後どのように取り組んでいくかなどを聞いた。

日本人に向いた「情報の質が違うもの」

--この1年を振り返って、ヤフーでの検索の仕事はどうでしたか。

メディアサービスカンパニー検索事業責任者を務めてきたが、2014年4月1日付けで執行役員検索サービスカンパニー長に就く宮澤 弦氏 メディアサービスカンパニー検索事業責任者を務めてきたが、2014年4月1日付けで執行役員検索サービスカンパニー長に就く宮澤 弦氏

 けっこう一生懸命だったんで、“爆速”だったなっていう感じなんですよ(笑)。突然検索事業に移ってくることになって最初はびっくりしたんです。ずっと広告部門にいて、検索に関わる仕事をやったことはなかったわけですから。

 ただ、Googleから検索エンジンを提供していただいているとはいえ、僕らが何の努力もしなかったら、日本には検索サイトとしてGoogleしか選択肢がなくなっちゃうということに気づきました。やっぱり選択肢が複数あることはすごく大事だと思うんですよね。

 僕らは、ヤフーならではの「日本で一番使いやすい検索サービス」を作って、日本人にとって選択肢がある状態を作りたいのです。「Google検索」はGoogleとしての正解だと思うんですけど、僕らは日本人にとって使いやすいヤフーならではのものを届けていきたいわけです。だから、「ヤフーとGoogleの検索結果がこんなに違うんだ」っていうのが、ユーザーにきちんと伝わるように磨き込んでいきたいな、と思ってやってきた1年でしたね。

--Googleからエンジンは借りていますが、実際に表示される検索結果は違いますよね。具体的には、この1年間どんな取り組みをしてきましたか。

 スマートフォンで検索した時は、1ページ目か2ページ目までしか見ない人が多いですよね。PCの時はもっと見ることはあっても、1ページ目にどれだけ適切な検索結果を入れるかっていうことがすごく大事だと思っています。

 僕らとしては、Google検索で検索結果の上位10件に出てくるドンピシャな検索結果だけではない、まとめサイトのような多少幅のある、情報の質の違うものも出したいと考えています。たとえばクックパッドにご協力いただいて、人気レシピをヤフー検索で出すようにしているんですが、単純にレシピがわかればいいというものではなく、その中でも日本人に一番人気のものはこれですよ、というのを1ページ目に出しています。

 ファッションに関しても、1ページ目に「ちまたで今何が一番売れているのか」がわかるようにしているんですが、こういうのは今までの検索サイトではあまりなかったと思います。マッチング精度の高い、低いではない、質的に違うものを1ページ目に出して、それが日本人に受けるものだったらいいなあと。こういうものをどんどん増やして、スマートフォンでも使い勝手のよい検索サービスにしていきたいと思っています。

「生活を豊かにするための検索」へ進化させたい

--そういう情報コンテンツ以外にも、検索サイトの着せ替え機能もありますね。

 着せ替えはめちゃくちゃ人気で、最近はディズニーにも参加してもらってます。僕もiPhoneを2台持っていて、2台とも着せ替えてるんですよね。若い女性だと、月に1回新しいものに着せ替えているという話も聞きます。日本人は着せ替えるのが好きなんですよね。

 これまで検索結果ページというのは、背景が単純に白でした。Googleを見ても白いし、ヤフーを見ても白い。これって検索結果の背景を自分の好きなものに設定できたらいいんじゃないの? というところからスタートして、どうせ着せ替えるならラグジュアリーブランドとか、自分の好きなブランドやアーティストなど、そういう画像がいいんじゃないかと。今は女性スタッフが主導して、本当に自分たちが着せ替えたくなるようなコンテンツをどんどん集めています。

--注力しているのは、日本人が求める情報を出力することと、着せ替えのようにユーザーインターフェース設計の部分ですよね。大きく分けてこの2つですか?

 実はO2O(Online to Offline)みたいな取り組みもしています。リアルとの連携をどんどんやっていきたいと思ってまして、最近発表して派手にバズッたのが、「3.11」で検索すると、ヤフーが10円を東北復興支援のために寄付するという活動ですね。あとは「ファミマけんさくーぽん」の取り組みです。

 検索はみんなが日常的に使っているもので、検索できない人はほとんどいないと思うんです。そういうコモディティな検索を使って、それが募金になりますよとか、ファミマやローソンに行ったら割引されますよとか、生活に密着したツールとして使っていきたいとも思っているんです。

 僕らは、「検索を通じて日本人の生活を豊かにする」というのをコンセプトとしてサービス作りをしています。今まではネットにある情報を探すための使い方がほとんどでしたが、これからはリアルの生活をもっと豊かにするための検索に進化させたいですね。

--「生活を豊かにするための検索」というのはキャッチーですね。ヤフーの検索はこうだ!というような、キャッチコピーみたいなものはあるんですか?

 まさに、いま本田翼さんがテレビCMでも言っている「日本に答える検索、はじまる」ですね。ヤフー自身のコーポレートメッセージが「課題解決エンジン」ですし、そういう意味では、「日本に答える」のは検索サービスが一番応えやすい。ヤフーは日本語を使うユーザーにとって最適な課題解決エンジンでありたいと思っています。

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