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ウェブ誕生から25年--生みの親T・バーナーズ・リー氏が語る次のステップ(前編) - (page 3)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年03月17日 07時30分
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--では、ウェブが使命を果たすためには、社会、政治、経済のレベルで変化が必要だということでしょうか。

Berners-Lee氏:そうです。例えば、ネットワークのオープン性を保つことが必要です。われわれの取り組みの1つに、ディープパケットインスペクション装置(ネットワーク機器が、通過するネットワークデータを検査するための装置)の使用の全廃があります。そうしたスパイ用の機器が組織によってコントロールされるようになる可能性が高いため、そうした組織に責任を取らせるための社会システムを導入しなければなりません。そうした社会システムは、基本的な価値基準に基づくものになるでしょう。私にはスパイされることを心配せずにウェブを使う権利があります。ウェブサイトの内容にかかわらず、あるいは自分の支持政党や肌の色、文化に関係なく、好きなウェブサイトにアクセスする権利があります。

Tim Berners-Lee氏は1989年に、後にWorld Wide Webとなるもののひな形のスケッチを描いた。それは、ほかの文書にハイパーリンクされた文書の一群であり、従来の階層的なデータ保管システムにあった障壁をなくすことができた。
Tim Berners-Lee氏は1989年に、後にWorld Wide Webとなるもののひな形のスケッチを描いた。それは、ほかの文書にハイパーリンクされた文書の一群であり、従来の階層的なデータ保管システムにあった障壁をなくすことができた。
提供:World Wide Web Consortium

--ウェブがパブリッシングメディアから、ソフトウェア基盤、つまりウェブアプリを稼働させられる基盤へと変容することについて、どうお考えですか。そうした変化はどこまで進んでいて、その目標を達成するには何が必要とされるでしょうか。私には、ウェブアプリの世界はまだかなり荒削りに思えます。

Berners-Lee氏:ウェブアプリは非常に面白いものです。あるウェブアプリを一度実行すれば、どこででも使えるというのには、大きな利点があります。一方、通常のシステムにあるすべての機能を実現するために必要な標準は、まだこれからです。

 おっしゃるとおり、文書のウェブから、プログラム可能なコンピュータのウェブへの変化は、非常に大きなものです。文書のウェブというプラットフォームを使って、人々は、恐竜博物館だとか、Wikipediaといった素晴らしいことをしています。例えばWebRTC(Skypeのようなウェブでのリアルタイム通信のための標準)によって、ウェブページが互いにやりとりすることができます。プログラム可能なプラットフォームとしてのウェブでは、リアルタイムでの共同作業ができるようになります。また、専用のウェブサイトだけでなく、好きなウェブサイト上でビデオ会議が可能になります。データ会議も実現し、人々が作品やアイデアを共有するでしょう。

 W3Cは、ウェブを本格的なコンピューティングプラットフォームにするために、こうしたすべてのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェースの略で、プログラマーが組み込み機能を利用するために使う)を作成しようとしています。未加工のプリミティブにアクセスできれば、(事前に作成された、より高次のソフトウェアの)ライブラリに欲しいものがなくても、自分でプログラミングすることができます。人々は、特性や機能を実現し、さまざまなプログラミング方法や、アプリケーション開発方法を用意するために、興味深いライブラリを数え切れないほど多く書いていくでしょう。

 TC39(ウェブのJavaScriptプログラミング言語を監督する標準化グループ)の仕事は非常に重要です。W3CとTC39には共通する部分がたくさんあるからです。TC39で進行中の取り組みが非常に重要なのは、言語に関しては、われわれは1つのことに多くのリソースを注ぎこむからです。その言語は、すっきりしていて、ユーザーが望むことを実現するものでなければなりません。

 後編に続く

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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