ウェブの誕生について簡単に振り返ってみたい。
1989年、イギリスの物理学者Tim Berners-Lee氏は「World Wide Web」(W3)と呼ばれるようになるものを発明した。最初の試験運用は1990年12月に欧州原子核研究機構(CERN)の研究室で行われた。CERNはジュネーブにある大規模研究施設であり、今日では大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使用した実験の拠点として知られている。
そしてCERNは1993年4月30日、W3を支えるテクノロジ(具体的には、ウェブサーバや基本的なブラウザ、ライブラリコードの実行に必要となるソフトウェア)を原則的にロイヤリティフリーで利用できるようにしたという声明を(まさにウェブ上で!)発表した。
こうして、誰でも利用できる現在のウェブがinfo.cern.chで生まれたのだった。
世界初のウェブサイトは当然のことながら、「World Wide Web」プロジェクト自体のために用意されたものだった(本記事を読んでいるAppleファンのために述べておくと、同ウェブサイトはBerners-Lee氏の「NeXT」コンピュータ上でホストされていた)。このウェブサイトでは、ウェブとは何かや、他のドキュメントにアクセスする方法が説明されていた。
同ウェブサイトをホストしていたオリジナルのNeXTマシンはまだCERNにあるものの、世界初のウェブサイトは当時のアドレスではオフラインとなっており、アクセスできなくなっている。
CERNはこの状況を変えようとしている。同組織の研究者らは「オープンなウェブ」の誕生20周年を記念し、現地時間4月30日、世界最初のウェブサイトを復活させ、「ウェブの誕生に関するデジタル資産を保存する」プロジェクトの開始を発表した。
Dan Noyes氏は以下のように記している。
何年もの間、このURLは休眠状態、すなわち活動停止状態にあった。このため同URLにアクセスすると、http://info.cern.chというウェブホストのルートにリダイレクトされていた。われわれは、W3Cのサイトでホストされていたアーカイブを用いてこれらのファイル群をオンライン上に復活させた。これは世界最初のウェブサイトの1992年当時のコピーだ。現在のところわれわれが見つけ出せているコピーのなかではこれが最も古いものだが、より古いコピーを求めて今後も探し続けるつもりだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス