スペイン、バルセロナ発--サムスンがスマートウォッチのOSとして「Android」を捨て去る時がついにやってきた。同社は、当地で開催されたMobile World Congress(MWC)のプレスカンファレンスの前日、すなわち現地時間2月23日に「Gear」スマートウォッチの新製品「Gear 2」と「Gear 2 Neo」の2製品を発表した。
どちらの製品からも「GALAXY」という名前が外されている点は、これらのスマートウォッチがGoogleの「Android」プラットフォームではなく、サムスンの開発したOS「Tizen」をベースにしていることをほのめかしている。
AndroidからTizenへの移行は、Gear 2における大きな変更点だが、実際に腕にはめてもその違いはあまり感じられないかもしれない。この製品でも、以前と同じ320×320ピクセルの1.6インチディスプレイを搭載している。ただ、搭載されているカメラがリストバンドからスマートウォッチ本体に移動され、その解像度が2メガピクセルへとわずかに増えている点はより分かりやすい変更だと言えるだろう。
これによって、リストバンドを取り外して、色違いのバンドに付け替えられるようになった。しかも、市販の腕時計バンドを付けることもできる。なお、Gear 2のバンドには、チャコールブラックとゴールドブラウン、ワイルドオレンジの3色が用意されており、オリジナルの「GALAXY Gear」のものとよく似た色合いとなっている。ティップス:壁紙はリストバンドとマッチするようにも変えられる。
さらにこの製品には、便利に使えるちょっとしたハードウェアやソフトウェアも搭載されている。例えば、搭載されているIRブラスタと同社の「WatchON」アプリを使用すれば、テレビのリモコンになったり、(Bluetoothヘッドセットと同期すれば)ジョギングの際にスタンドアロン型の楽曲プレーヤーとして使える(つまり携帯電話を自宅に置いて出かけられる)ようになる。
サムスンは心拍センサも搭載した。心拍数を記録するよう指示した際には、90秒ごとに光るようになっている。また、フィットネス管理の一環としてパーソナルコーチ機能を有効にすると、触覚フィードバックと画面通知によって、ペースの遅れを指摘してくれるようにもなる。
オリジナルのGALAXY Gearに搭載されているマイクは、金具部分に埋め込まれていたため、喋る際には手首を返す必要があった。こういった所作に不満を感じるユーザーの声に耳を傾け、同社は本体にマイクを配置するようにした。
美しさという観点から見た場合、Gear 2はオリジナルのGALAXY Gearとよく似ているが、長方形のフェイス部分はほんの少し大きく、かつスリムになっている。またこの製品も、ヘアライン仕上げされた金属製の本体と、デバイスに付属してくるテクスチャの付いたリストバンド、装着用のクリップ式の留め具で構成されている。さらに、このスマートウォッチを充電するには別途、充電用のクレイドルが必要なのも変わっていない。
GALAXY Gearを装着していると常に、分厚く重い感触が手首の骨に感じられ、特に手首を曲げるとそのことを実感させられた。しかし、試しにGear 2を装着してみたところ、いくらか快適になっていると感じた。ただ、Gear 2を使った時間は短かったため、実際のテストとして十分とは言えないだろう。ウェアラブル機器は何時間も、また何日も使い続けないと実際のテストにならないはずだ。
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