この話は、今後起こりうる同様の事件の1つといえるかもしれない。つまり、ある人物が「Google Glass」を着けたままバーに入り、それを不満に思った常連客から追い出しを食らうという事件だ。
そのトラブルはIT系記者であるSarah Slocumさんの身に実際に起こったことだ。さらに彼女は、窃盗と暴力を受けたと主張している。
CBS San Franciscoによると、Slocumさんは米国時間2月21日夜、サンフランシスコのローワーヘイト近郊にある大衆的なロックバー「Molotov's」を訪れ、貸与されていた1500ドルのGoogle Glassを友人らに見せていたという。SlocumさんがGlassのビデオ機能を実演してみせると、どうやら2人の女性が彼女に近づいて声をかけ、さらに1人の男性がSlocumさんの顔からGlassをもぎ取り、その後暴力沙汰になったようだ。
Slocumさんは、自身のFacebookページに次のように投稿している。「いったい何てことなの!こんなこと絶対に信じられない・・・・・・昨晩、サンフランシスコ市内で言葉と身体的な暴力に遭い、所持品を奪われ、物を投げつけられた。Google Glass嫌いの、数人のろくでなしが私に言い掛かりをつけてきた。そして、そのうちの1人が私の顔からGlassをもぎ取り、それを持って逃げた。私がその男を追いかけると、今度は男の仲間たちに私のバッグやら、携帯電話の入ったポーチやら、何もかも奪い取られた」
CBS San Franciscoによると、SlocumさんはGlassを取り返したが、バッグと携帯電話は取り戻せなかったという。
Molotov'sで起きた騒動の核心部分といえるのは、Slocumさんが許可を得ないまま、Glassで周囲の人々を録画していた可能性があるという事実だ。この問題は、GoogleがGlassを発表して以来、繰り返し起こっている。
Glassを支える技術に対して多くの人々が驚きの声を上げている一方で、Glass反対派の人々も増えているとみられる。Glassをはじめとするウェアラブル端末に反応して「Stop The Cyborgs」(サイボーグを阻止せよ)と呼ばれるウェブサイトが立ち上げられたり、プライバシーに関する問題が表面化したりしている。
Googleとしては、Glass装着者に対し、同端末を公共で使用する場合のベストプラクティスを指導しようとしているところだ。Googleは先週、Glassの使用に関する「推奨事項」と「禁止事項」から成るガイドを公開したばかり。ガイドには、Glassを人前で使用する場合には許可を得ること、Glassを着用しても周りから見ぬふりをされると思わないこと、そして「不気味な振る舞いや無礼な態度(『Glasshole』)」はしないこと、といった項目が書かれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」