宣伝通りに動作しない機能には、画面の上に手をかざして動かすだけで次の曲や写真に移動できるジェスチャー(手を正確に動かさなければならない)や、写真の背景に写り込んだ余計な人を削除できるモードなどのさまざまなカメラモードもある。サムスンの「GALAXY S4」発表イベントでのおもしろい小話を紹介しよう。サムスン関係者でさえも、この機能を何度か試したがうまくいかず、負けを認めて筆者にスマートフォンを返した。ユニークなソフトウェア体験を生み出すことがサムスンの使命にとってどれだけ重要なのかは分かるが、宣伝通りに動作しないのなら、無駄と言わざるを得ない。
GALAXY S5のカメラモジュールに本当に必要なのは、派手なフィルターや照明のプリセットよりも、暗所での撮影性能の向上だ。
現在、サムスンの一部のハイエンドスマートフォンは暗闇を自動的に検出し、ナイトモードに切り替わる。気の利いた機能だが、常に満足のいく画質を得られるわけではない。フラッシュも選択肢の1つだが、被写体や背景が真っ白になってしまうことがよくある。食べ物を撮影する人や、雰囲気を捉えたいという人にとって、特にスナップ写真を高速撮影する場合に頼りになる機能はほとんどない。
今こそサムスンは、特にNokiaとAppleから学び、暗所での撮影機能を修正して、率直に言ってひどい画質を向上させるべきだ。
既に述べたように、筆者が指摘した点の多くは、スマートフォンの中核的なコンポーネントと比べると、それほど重要なものではない。筆者の考えでは、そのいくつかは容易に解決できるにもかかわらず、サムスンは何年もの間、対応してこなかった。
それでも、これらが重要である理由を説明しよう。スマートフォンが上質で夢中になるほどのものかどうかを判断するとき、消費者や熱狂的なユーザーはさまざまなスペックに注目するが、サムスンはそうしたスペックの要件をこれからもずっと満たし続けるだろう。画面解像度や昼間の写真撮影、処理速度、バッテリ持続時間、ユニークなソフトウェア機能などに関して、サムスンが今後も競合と互角もしくはそれ以上の勝負をすることは間違いない。サムスンがまだ達成できていないのは、もっとつかみ所のないもの、つまり魂が込められているという印象だ。
筆者は数多くのスマートフォンを目にするが、筆者の注意を引くスマートフォン、手にとって何度も使いたいと思うスマートフォンは、共鳴するデザイン要素、もしくは、機能チェックリストを超越した気の利いた日常的機能を提供する携帯端末だ。
ふたを開けてみたら、GALAXY S5は印象的な2014年のスペックを満載した画一的なGALAXY Sだった、ということになるかもしれないが、それでも非常に魅力的な携帯端末になるのは間違いないと思う。しかし、GALAXY S5は、売るためだけでなく、人々にインスピレーションと喜びを与えるために情熱を持って作られたスマートフォンであってほしいと心から願っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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