2014年のハイテク業界を支配するのは、Apple、Google、Microsoftの3社だ。彼らはさまざまな分野で直接的および間接的に競合しているが、それぞれの財務的特徴は大きく異なっている。
この株式公開企業3社の違いを理解する最適な方法は、各社が四半期ごとに提出を義務付けられている詳細な財務情報を見てみることだ。筆者は2年前にこれを行ったが、状況はそれ以降変化している。GoogleはMotorola Mobilityの買収によってハードウェア分野に事業を多角化しようと試み、Microsoftは「デバイスとサービス」に集中することを目標として掲げた。
この2年間に、3社はどれほど変化したのだろうか。その答えを知るために、2013年下半期に発表された四半期決算報告書に記載されている各社の収益源を調べてみた。以下はその分析結果で、分類名は各社が自社の事業構成を定義するために使用している名称を利用した。
Appleは何よりもまずハードウェア企業であり、売り上げの圧倒的な割合を占めるのは、7年前には存在しなかった「iPhone」と「iPad」だ。「iTunes, Software & Services(iTunes、ソフトウェア、およびサービス)」分野に目を向けてみると、それ自体大したものだが、さらにすばらしいのは、「iOS」市場が拡大する中で、主要な収益源を音楽からアプリケーションに移したことだ。
2年前のGoogleは1つの事業だけで成り立っている企業で、売り上げのほとんどすべてが広告事業からのものだった。2011年の年次報告書には、「広告による売り上げが、2009年には売り上げ全体の97%を、2010年と2011年には96%を占めている」と書かれている。この状況が少し変化したのは、Motorola Mobilityの買収によってハードウェア製造への参入を試みてからのことだ。だが、LenovoへのMotorolaの売却が実現すれば、状況はほぼ以前の状態に戻ることになる。「Other(その他)」には、デジタルコンテンツとMotorola以外のハードウェア製品を含むが、同社の売り上げのほんの一部を占めるに過ぎない。Lenovoへの売却が完了すると、広告からの売り上げが再び売り上げ全体の90%以上を占めることになる。
Microsoftは、2013年夏から売り上げの計上方法を変更したため、過去2年間で事業がどう変化したかを直接比較することが不可能に近くなった。以前は、売り上げをもっぱらソフトウェア製品ごとに分けて計上しており、「Windows」「Office」「Enterprise」がその大部分を占めていた。新たな計上方法は少し説明が必要だ。
2014年におけるMicrosoftの事業は、法人向けのソフトウェアとサービスが多くを占める。売り上げの半分近くを占める「Commercial Licensing(商用ライセンス)」には、「Windows Server」製品とボリュームライセンス版Windows、企業向けOfficeが含まれる。「Commercial Other(商用その他)」は、急成長している企業向けサービスが中心で、中でも大きいのが「Windows Azure」と商用版「Office 365」だ。
一般消費者向け事業を見ると、「Consumer Licensing(消費者用ライセンス)」にはOEM版Windowsのライセンス、家庭や小企業ユーザー向けのOffice、「Windows Phone」が含まれる。「Consumer Hardware(消費者用ハードウェア)」は、「Xbox」ハードウェアと「Xbox Live」の料金、「Surface」製品、キーボードやマウスといったPCアクセサリーから成る。「Consumer Other(消費者用その他)」には、WindowsおよびWindows Phone向けのオンラインストア、実店舗のMicrosoft Store、Xbox向けのゲームおよびサービス、オンライン広告(主にBingの広告)、「Office 365 Home Premium」の料金が含まれる。
売り上げの大きい2つのライセンス部門が今もなおMicrosoftの利益の多くを生み出しており、それ以外の部門も赤字や損益なしのセグメントがあるものの全体では黒字になっている。Microsoftが打ち出したデバイスおよびサービスへの移行が成功しているかどうかを評価したければ、今後の四半期決算で、ライセンス以外の部門の粗利益をチェックしてみることだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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