Microsoftの新しい最高経営責任者(CEO)に就任してわずか数時間後に、Satya Nadella氏は、誰よりも適切に一般論を語れることを示した。Nadella氏はパートナーおよび顧客向けのウェブキャストの中で、約15分間にわたって同社戦略の概要を説明した。この戦略は基本的に、これまでとほぼ同じ内容を約束するものだが、世論に耳を傾けるものになるという。
これに先立ち、Microsoftは米国時間2月4日、6カ月間にわたるうわさや憶測に終止符を打ち、Nadella氏を同社の次期CEOに任命したことを発表した。この発表の一環として、会長職を退いたBill Gates氏は、Nadella氏に対する「技術アドバイザー」として、これまでよりも積極的にMicrosoftに関与する予定だと述べた。
Nadella氏は「People-centric IT」(人を中心としたIT)というビジョンを掲げ、Microsoftは、「エンドユーザーが自分たちの求めるエクスペリエンスを手に入れ、ITが自分たちの求める制御を手に入れる」製品およびサービスを開発していくと述べた。
公平のため記しておくと、世界で最も重要なビジネス幹部の1人になったばかりのNadella氏が、直ちに回答を示すと期待する人はほとんどいないだろう。また、同氏が軌道修正を実現する方法について具体的なアイデアを持っているとすれば、パブリックフォーラム(今回の場合は、世界中の誰もがアクセス可能なウェブキャスト)がその公表の場にはならなかっただろう。
それでもNadella氏は、同氏が統括するMicrosoftに何が含まれるかという概要は示唆した。同氏は、「モバイル第一、クラウド第一」の戦略について語った。この戦略においては、Microsoftが着手するすべてにおいて、ソフトウェアがその中心となる。これも、Steve Ballmer氏とNadella氏自身がこれまで数カ月間にわたって明確に打ち出してきたクラウドとデバイスの戦略からは離れていない。
しかし、今回のウェブキャストは、Microsoftが秩序立てて移行を進めていることを示して、社外関係者を安心させるためのアピールであり、Nadella氏は、自身にとって最も重要である聞き手を想定して、詳細は語らなかったものの「新しいシナリオへの取り組みにおいて新しいパートナーシップを取り入れる」とも約束した。同氏は、自身の「初日の優先事項」について、Microsoftが「顧客、パートナー、投資家」と密接な関係を確実に構築することであると述べた。多数の問題を解決する必要のある新CEOとして、同氏は、社外の候補者がCEOに任命されていた場合よりも迅速に体制を整えられるであろうことは間違いない。
同様にNadella氏は、Microsoftの新CEOに就任した自身に対する期待を慎重に制御することを忘れなかった。
「わたしには学ぶべきことがたくさんある」とNadella氏は述べた。「Microsoftで長い年月を過ごしてきたが、Microsoftには、私が知らない新しい部分があるだろう」(Nadella氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス