Facebookの「Paper」とスタンドアロンアプリ戦略--新たな10年に向けた再出発 - (page 2)

Jennifer Van Grove (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年02月06日 07時30分

 Reckhow氏とMatas氏の説明によると、Paperは閲覧者数が多い人でも少ない人でも使えるパブリッシングツールとして開発されたという。このことは投稿を作成してみるとよく分かる。投稿がどのように見えるのかをリアルタイムで示すライブプレビュー機能を利用できるからだ。

 「そのため、(投稿を)作成しているとき、例えば長文の投稿を書くと文字が小さく表示され、短い投稿を書くと文字が大きく表示されることが分かる」(Reckhow氏)

 外見に関しては、より少ない文字数でより強烈な印象を与えられることにすぐに気づくはずだと同氏は言う。写真を追加すると、その写真がプレビューに表示される。位置情報も同じだ。位置情報を追加すると、投稿のプレビューに地図が表示される。「この機能によって、投稿を構成する技術を利用できる」(Reckhow氏)

 投稿の構成技術に大きな注意が払われていることは、FacebookがPaperによってさらにオープンなコミュニティーを作り出し、あらゆるタイプの人々が写真、動画、物語といった自作の芸術作品に夢中になってくれるオーディエンスを発見できるようにしたいと望んでいることを表している。

Paperの2つの顔

 Paperには、ネットワークとニュース配信という2つの面があり、それぞれの割合は同等だ。他のあらゆるデジタルパブリッシングメディアと同様に、コンテンツを作る人と消費する人という2つの要素に分かれている。ユーザーが望めば、PaperをTwitterのように利用することもできる。Tumblrとして使うことも可能だ。MediumやFlipboardになることもできる。

 こうした他のネットワークとは異なり、Paperを自分の好みに合わせてセットアップするのは簡単で楽しい作業だとMatas氏とReckhow氏は言う。

 「コンテンツを扱う新しいアプリを初めてダウンロードするのは、非常に苛立たしい体験だ。設定を行って、特定のソースをすべて探す作業に10分間を費やさなければならない。それは決して楽しいことではない。Paperでは、立ち上げてから数秒以内に設定を完了して、インターネット上の最も魅力的なコンテンツを閲覧できるようなアプリを目指した」(Reckhow氏)

 同氏が具体的に言及しているのは、PaperによるNews Feedの解釈と、テーマ別に分類されていてPaperに追加できる約10種類のセクションだ。セクションはFacebook版の配信サービスであり、ユーザーや「Pages」が公開設定でFacebookに投稿したストーリーからニュースが集められる。セクションにはアルゴリズムが検出した投稿と人間の編集者が選択した投稿の両方が表示される。その第一の目的は、ユーザーに未見のコンテンツを提示することだ。

 セクションによってFacebookの近況アップデートを閲覧する新たな手段が提供される。以前はNews Feedにあっという間に埋もれてしまって気づけなかった投稿や、必読の記事や必見の写真を掲載する多くの情報源の1つをフォローしていなかったために見逃していた投稿を閲覧できるようになる。

 Matas氏とReckhow氏は、セクションの狙いは質の高いストーリーを作り出す人々の存在をユーザーに知らせることだと言うだろう。それは部分的には正しいが、もっと大局的な観点から見ると、セクションはFacebookを、ニュース速報、ポップカルチャー、ミームを常に把握しておくための有望な情報源に変えるものだ。この意味で、Paperはハッシュタグや旬の話題、そのほかの製品リリースがまだ成し遂げていないことを達成している。つまり、Facebookがついに、友達とつながるだけでは満足できないユーザーにとって意味のあるものになったということだ。

破滅を回避できるか

 ここで、PaperはFacebookの2014年バージョンだという話に戻ろう。Paperでは、コンテンツがつながりと同じくらい重要であり、ネットワークがどんな瞬間においても世界で起きていることを鋭く把握している。PaperはFacebookを再定義する最初のスタンドアロンアプリだが、こうしたアプリは今後も登場するだろう。

 Facebookが10年後も存続しているとしたら、それはCreative Labsチームの尽力によって、不可避に思えるMySpaceやFriendsterのような破滅を回避できたからだろう。そうした破滅は、人々が次の大きなものへ移行するときに起こるものだ。

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提供:Facebook

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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