1月6日~1月12日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
テクノロジ業界の1年は、米国ネバダ州ラスベガスで開催される「International CES」という家電展示会からスタートする。毎年、その1年を占うテクノロジに関連するテーマの競演とあって注目が集まるが、2014年は4Kの普及、スマートホーム、カーインフォマティクス、そしてウェアラブルデバイスだった。
特にウェアラブルデバイスは、腕時計型の端末が多数リリースされており、先行するSamsungのGALAXY Gear、SonyのSmartwatch、Pebble Smartwatchに続いて、さまざまな新機種が登場している。基本的にはスマートフォンとの連携を基本にし、画面が大型化するスマートフォンをいちいち取り出さなくても通知を受け取ったり、ちょっとしたテキストを読んだりする使い方が主流だ。
2012年末から、Appleがスマートテレビやウェアラブルデバイスをリリースするのではないか、という憶測が流れ続けている。おそらく2014年に何らかの形でこれらの憶測に対する答えが得られるのではないか、と考えられる。
例えば2013年にアップデートが行われなかったiPodシリーズがウェアラブルデバイスに対する何らかの答えに該当しても、面白そうだ。
それでは、先週のAppleに関連するニュースを見ていこう。
2007年1月、AppleはサンフランシスコでiPhoneを発表した。壇上に立った当時のCEO、Steve Jobs氏は「今日、Appleは電話を再発明する」という言葉とともに、iPhoneを「電話」「音楽プレイヤー」「インターネットデバイス」という3つの機能を兼ね備え、これまで以上に大きな画面とバッテリを備えたデバイスを披露したのだ。
この「電話の再発明」という言葉を疑う必要はないだろう。同時に、コンピューティングの変革ももたらした。
Appleは2013年にApp Storeで配信されているアプリが100万本を突破したと発表した。また、アプリの販売額は100億ドルに上り、12月だけで10億ドルを記録したという。7年前の初代iPhoneにはApp Storeがなく、売上げがゼロだったことを考えると、新たなビジネスの柱が立ち上がったことを意味する。しかもAppleの取り分は30%だ。
iPhone発表当時、Appleが引き合いに出していたBlackBerry、Nokiaといった原始的なスマートフォンはとうに駆逐されてしまった。しかし現在のスマートフォン市場を見れば、Androidがその販売される端末の8割を占め、iPhoneが世界市場を支配する期間は長くはなかった。しかし米国では50%前後のシェアを依然として保っており、日本でも好調だ。
タッチスクリーンとアプリのエコシステムを持つOSで動作するスマートフォンの世界というトレンドを作り出したが、これを全世界に広めたのはGoogleとAndroid陣営の端末メーカーだった。しかしスマートフォンとそこから派生したタブレットは、パソコンを主体としたコンピュータやインターネットの世界をモバイルデバイスへと移行させた。
2014年、スマートフォンの位置付けはより重要なものになっていくとみられるが、AppleがiPhoneでどんなモバイルトレンドを作り出すのか、今後も注目すべきだ。
アップル「App Store」、2013年販売額は100億ドル--12月だけで10億ドル(1/8)Appleは企業買収などについて明言することはないが、報道に対しては、「しばしば戦略的に企業を買収することもある」というお決まりのコメントが出される。今回白羽の矢が立ったのは、SnappyCamというiOS向けカメラアプリを1人で開発するSnappyLabsだった。
SnappyCamは、iPhoneのカメラ機能を拡張し、毎秒60枚の写真を撮影したり、スローシャッターや6倍のフル解像度ズームなどができるアプリで、1ドルでApp Storeで販売されていた。現在はApp Storeから取り下げられている。Appleは買収したアプリや技術を、次のOSやアプリなどに生かしてきた。
iOS 7でカメラアプリは進化を遂げているが、今後さらに豊富な撮影機能を搭載することになるかもしれない。
アップル、「SnappyCam」アプリ開発元のSnappyLabsを買収か(1/6)2014年、AppleとSamsungの裁判が良い方向に進展する可能性がある。1月6日にAppleとSamsungの弁護士が和解の機会を協議したと報告があった。2012年8月にAppleへの賠償金支払いの評決が出た知的財産の裁判がこれまで報じられていたが、係争中の案件はこれだけではなく、世界中で争われている。今後調停人を立てて、2月19日までに協議が行われるとのことだ。この調停には両者のCEOと社内弁護士が同席する。
またAppleは電子書籍価格に関する裁判や、モトローラとの特許訴訟についても進行している。2014年も引き続き、Samsungらとの係争の他に、Appleが特許侵害で訴えられるシーンもあるだろう。Appleはどちらかというと淡々と自分のペースでイノベーションを進めている印象があるが、知的財産や市場との対話に影響を与えるかどうか、注視したい。
アップルとサムスン、調停協議について合意--知的財産侵害裁判(1/9)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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