「Mac Pro」のリリース、China MobileでiPhoneを販売へ--松村太郎のApple一気読み

 12月16日~12月22日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 今週はクリスマスということで、サンフランシスコ周辺はショッピングや買い出しの人々が目立つ。CNETで配信されるニュースも、Appleに限らず1年のまとめや2014年に関係する記事が増えている。そんな中Appleは、年内に発表することをアナウンスしていたMac Proの受注をスタートさせ、2013年中に発売するという「公約」を果たしている。

「Apple I」から「iPad Air」まで--アップルの歴史を写真で振り返る
「Apple I」から「iPad Air」まで--アップルの歴史を写真で振り返る

 円筒形のハイエンドデスクトップコンピュータ。このデザインを前衛的と呼ばずなんと言うべきだろうか。CNET Japanで先週反響があったApple関連の記事に、Apple IからiPad Airまでを振り返る写真記事が掲載されていた。元の米CNETの記事は「Appleは鋭さを失ったのか?」という命題に答えている。

 それでは、先週のニュースを振り返っていこう。

「Mac Pro」、ついにリリース

 6月にサンフランシスコで開催されたWWDC 2013で刷新がアナウンスされたAppleのハイエンドデスクトップマシン、「Mac Pro」が12月19日から受注を開始した。構成によっては、手元に届くのは年をまたいでしまうかもしれないが、プロユーザーにとって待望のアップデートとなった。

 これまでのコンピュータの姿とも、プロ向けのワークステーションの姿とも違いコンパクトで、直径16.7インチ、高さ9.9インチの黒い円筒形のボディ。すなわち外部拡張を基本とするデザインだ。CPUはIntel Xeonプロセッサから4種類が選べ、またグラフィックス、フラッシュストレージなどもカスタマイズすることができる。最も安い構成は、Xeon 3.7GHzクアッドコアプロセッサ、2つのAMD FirePro D300グラフィックス、12Gバイトのメモリ、256Gバイトのフラッシュストレージで、2999ドル、日本円で31万8800円となる。

 あらゆるコンピュータの処理を高速に行うことができるMac Proだが、特に映像分野では4Kと呼ばれるより高い解像度の映像編集やエフェクト処理などに期待が寄せられている。もちろん静止画や3Dモデリング、シミュレーションにも威力を発揮することになるだろう。

アップル、「Mac Pro」を米国時間12月19日より受注開始(12/19)
円筒形の新デザイン「Mac Pro」受注開始--31万8800円から(12/19)
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China MobileでのiPhone販売、iOS直近の新機能とは?

 AppleがiPhoneのシェアを拡大する絶対条件として、中国で7億6000万もの加入者を抱えるChina MobileとのiPhone販売に関する契約が長年語られてきた。通信方式の違いや条件などからなかなか合意に達してこなかったが、2013年にリリースされた価格の安いiPhone 5cや、ハイエンドのiPhone 5sにゴールドを用意したことなど、中国市場を意識した施策が取り入れられた点から、2013年には販売に踏み切るのではないか、と見られていた。

 先週の記事では合意に達していないとの情報があったが、12月22日に、Appleは同社のウェブサイトで2014年1月17日からChina MobileでiPhoneを販売するとのプレスリリースを発表している。これによって、2014年以降のiPhone販売がどのように変化するか、その数字に注目したい。

 Mac Proとともに6月にWWDCで発表され、iPhone発売の9月の新型iPhone発売を機に利用可能となったiOS 7は、これまでのiPhone/iPad向けOSのデザインを刷新したことで注目された。ユーザーへの浸透速度もこれまでにないスピードになっている。しかし、iBeaconやiOS in the Carなど、どのように動作するかわからなかったり、まだ利用できない機能が含まれていたりすることも明らかになっている。

 iBeaconについては、米国のApple Storeでの導入が始まっているが、iOS in the Carは、2014年のモーターショーなど、自動車メーカーが新型車を発表するタイミングと、iOS 7.1がリリースされるタイミングを合わせるのではないか、と考えられる。

 またiOSに関しては、Appleから開発者に向けて、2月1日以降、新しいアプリについて、iOS 7向けの最適化を求めた。つまり今後の新しいアプリやアップデートは、iOS 7向けにデザインされ、Xcode 5で構築されなければならない、という統一ルールを課すことになる。現在、大きな画面サイズのiPadやiPhoneがリリースされることが予測されているが、iOS 7への対応によって、こうした点をクリアできるようにしておきたいのではないだろうか。

「iOS 7.1」第2ベータ版が開発者に公開--「iOS in the Car」機能を示唆する設定も(12/16)
アップル、iTunesの「BEST OF 2013」を発表--「Candy Crush Saga」などがライクイン(12/18)
China Mobileによる「iPhone」販売、まだ最終決定に至らず(12/19)
アップル、新しいアプリに「iOS 7」向け最適化を求める--2月1日から(12/19)
「iPhone」の「Activation Lock」デフォルト有効化、米地方検事が提言(12/20)

OS X Mavericksのアップデート

 OS X Mavericksは、2013年にアップデートされたMac向け基本ソフトだが、Mailなどの問題を修正するアップデートがリリースされた。また、β版はその次のリリースが開発者向けに提供されており、現在対応しないネットワークを通じた音声通話であるFaceTime Audioとの統合などが予測されている。

 Macについては、前に述べたMac Proのリリースによって、デスクトップからノートまでが最新のデザインで用意された。元々Appleはコンピュータ企業であったが、iPod、iPhoneと、コンピュータ以外のデバイスによってその企業の価値とブランドを高めてきた。同時に、モバイルで培ったアイデアや技術をMacに持ち込み、Macで採用したテクノロジを再びスマートフォンやタブレットへ持ち込むというサイクルも見せている。

アップル、「OS X Mavericks 10.9.1」をリリース--「Mail」などの問題を修正(12/17)
アップル、「OS X Mavericks」新アップデートを開発者に提供--「FaceTime Audio」をより深く統合か(12/21)

その他

アップルCEOなどIT企業幹部、米大統領と会談--監視プログラム改善求める(12/17)
アップル、「iBooks Store」にギフト機能を追加(12/19)
旧「MacBook」搭載のカメラでのぞき見--研究で手法が明らかに(12/19)

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