第一に、iOptikは「glance-able(ちらっと見て確認できる)」ディスプレイを投影することができる。現在Google Glassだけがやっているように、データが周辺視野に表示される。しかし、iOptikはコンタクトレンズをメガネとともに使用することで、フルスクリーンのヘッドアップディスプレイ(HUD)も投影することが可能だ。言い換えると、ゲーム向けの「Oculus Rift」などのゴーグル型ウェアラブルデバイスが提供するようなHUDモードで動作することができる。
そうした多用途インターフェースを採用した狙いは、自動車の運転や運動のような日常的な活動だけでなく、ゲームプレイや映画鑑賞、アプリ利用といった没入的な体験にも強力な効果を発揮する製品を提供することだ。Willey氏は米CNETとのインタビューで、「スマートフォンで動作するあらゆるものがアイウェアでも動作するようになるだろう。しかもフルHDでだ。ウィンドウとしても機能するし、没入的な体験に利用することもできる」と述べた。
関連する物理的なテクノロジに目を向けると、プロトタイプのメガネ(現時点ではスリムな作りで、重量もOakleyの標準タイプの頑丈なメガネと同程度)に搭載されているのは、マイクロプロジェクタのみだ。Willey氏によると、Innovegaが今後どの企業と提携するかによるが、オーディオデバイスやタッチコントロール、カメラ、加速度センサ、さらに現在Google Glassで採用されているハードウェアの多くなどが追加される可能性が高いという。それらが搭載されれば、同デバイスの重量が増すことは避けられない。
一方、iOptikのコンタクトレンズはもっと複雑だ。コンタクトレンズはメガネなしで装着することも可能だが、iOptikのソフトウェアと連携して機能できるのは、デバイスの動作中にInnovegaの付属メガネを通して見るときだけだとWilley氏は強調した。プロトタイプを作成するため、Innovegaは特別な設計と独自のフィルタによって、標準的なコンタクトレンズ生産プロセスをカスタマイズした。
「通常、メガネに搭載される光学設計をすべて排除して、1mm以下のレンズを中心に配置している。レンズは形状も工夫されている。度を付ける必要のある人のために、レンズの外側は処方箋に合わせられる形状になっている。レンズの中心部が隆起しているため、目から0.5インチ(約1.2cm)の距離にある画像を驚くほど鮮明に見ることができる」(Willey氏)
iOptikに関連する2つめのコンポーネントは、光の方向を変える光学フィルタだ。Willey氏は、「世界の外側から入ってくる光は、装着者の通常の度数に合うように曲げられる。極めて近くにあるディスプレイからの光はレンズの中心、つまり光学フィルタを通り抜ける」と述べた。
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