莫大な処理能力を持つ大規模データセンターを稼働するための豊富な専門技術を有する企業としては、「Amazon Web Services」がクラウドコンピューティングインフラを必要とする顧客の称賛を独占している状態に一矢報いる必要がある。
したがって、「Google Compute Engine」のテストを終え、すべてのユーザー向けに一般提供できるようになったことに、Googleが喜んでいるのは間違いない。同サービスが提供するサーバプール上で、顧客は多様なバージョンの「Linux」を稼働することができる。使用に対して対価を支払うことで、システムが99.95%以上の稼働率で動作するという保証を得ることができる。
Googleのバイスプレジデントを務めるAri Balogh氏は米国時間12月2日夜、Google Compute Engineの一般提供を発表し、同社が、通常のサーバインスタンスの価格を10%、ストレージ料金を60%引き下げたとともに、ストレージ入出力料金を引き下げたと述べた。また、負荷の高い処理に対する16コアサーバのオプションを新たに提供開始したとも述べた。
Googleにとって、Amazon Web Servicesの基本要素であるElastic Compute Cloud(EC2)サービスとSimple Storage Service(S3)に追いつくまでの道のりは長い。例えば、研究者らは11月、世界中のAmazonプロセッサコア15万6000個を使用するコンピュータシミュレーションを発表した。これは、Amazonのインフラで利用可能な膨大な能力を示す一例である。
しかし、Googleもいくつかの顧客を獲得済みである。
以前は米Yahooの最高技術責任者(CTO)を務めていたBalogh氏は、「この数カ月間で、Snapchat、CoolaData、Mendelics、Evite、Wixといった顧客が、Compute Engine上に複雑なシステムを構築した」と述べた。
またGoogleは、利用可能なOSの範囲を拡大している。当初は、Linuxの「Debian」と「CentOS」だけが利用可能だったが、「現在では、任意のLinuxディストリビューションをそのまま稼働することができる」とBalogh氏は述べた。「『SUSE』、『Red Hat Enterprise Linux』(Limited Preview版)、『FreeBSD』のサポートも発表している」(Balogh氏)
GoogleがCompute Engineサービスを発表したのは2012年のことだった。同社は既に、「Google App Engine」というより高いレベルのオプションを提供している。このオプションを利用する顧客は、Googleサーバ上でソフトウェアを実行することができるが、OSなどの低レベル要素に対する制御権限は与えられていなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果