(編集部注:米CNETによる「Kindle Fire HDX 8.9」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。前編は12月2日に公開されています)
「Mayday」は、パーソナルカスタマーサービスをほぼ瞬時に提供する機能だ。ショートカットメニューを表示させてMaydayボタンをタップした後、「Connect」をタップする。すると15秒以内に(少なくともAmazonはそれを目指している)、カスタマーサービス担当者が画面に現れる。担当者はユーザーを見ることはできないが、ユーザーの「Kindle Fire HDX」の画面に表示されているすべての情報を確認することができる。ユーザーの実際のアカウント情報は、担当者には見えないようだ。
カスタマーサービス担当者はユーザーの画面を利用したり、インターフェースをリモートから操作したりすることができるが、ユーザーは同タブレットを使っていつでも操作権限を取り戻すことが可能だ。担当者が映っているウィンドウは画面上の好きな場所に移動させることができる。担当者の声をミュートすることも可能。会話を終了するときは、「End」をタップする。
筆者が体験した限りでは、サービス担当者は丁寧で多くの知識を有しており、非常に役に立った。Kindle Fireとそのソフトウェアに関する複雑な事情だけでなく、Maydayサービスの仕組みについても精通しており、筆者のすべての質問に即座に答えてくれた。
もちろん、筆者がMaydayのテストを行ったのは、新しいKindle Fireがリリースされる前のことだ。Maydayは素晴らしい機能だが、大勢のユーザーが毎日利用するようになったとき、Amazonが15秒以内という応答時間を維持できるかどうかは、現時点では分からない。
これは極めて野心的なサービスだ。コンセプトだけでなく、ロジスティックスという面から見ても野心的だと思う。さらに、カスタマーサービスをほぼ瞬時に利用可能にし、トラブルシューティングの対象となる製品自体に統合することで、リアルタイムのカスタマーサービスを1つ上のレベルに進化させている。これほどのスピードと詳細さを備えるMaydayは、現在の用途をはるかに超えて発展する可能性を秘めている。
Kindle Fire HDXが発表されてからしばらくたったが、(筆者のテスト事例を見る限り)Amazonはこれまでのところ、15秒以内に応対するという目標を達成しているようだ。今後もそれが続くことを願っている。
Kindle Fire HDX 8.9は、Qualcommの「Krait 400」CPUを搭載した2.2GHzの「Snapdragon 800」システムオンチップ(SoC)を採用している。これまでで最も高速なSnapdragonバージョンだ。また、強力な「Adreno 330」GPU、デュアルバンドMIMOのWi-Fi、ジャイロスコープ、加速度センサも備える。
Kindle Fire HDX 8.9は最もピクセル密度の高いタブレットの1つだ。2560×1600ピクセル解像度の8.9インチディスプレイを搭載し、339ppiの高解像度を実現している。画像はくっきりとしており、メニューのテキストやアイコンもシャープに表示されるので、非常に見やすい。
2012年モデルの「Kindle Fire HD 8.9」も鮮明なディスプレイを搭載していたが、黒い画面や暗い画面を見ると、バックライト漏れ(クラウディング)が目立った。HDX 8.9ではクラウディングが大幅に改善されており、それを確認できるのは、起動時のように画面に暗い画像が映っているときだけだ。さらに、HDX 7は画面が黄色くなることがあったが、HDX 8.9ではその問題は全く発生しなかった。
比較した仕様 | Amazon Kindle Fire HDX 8.9 | Apple iPad Air | ASUS Transformer Pad TF701 | サムスン Galaxy Note 10.1 (2014年版) |
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最大輝度 | 472cd/m2 | 421cd/m2 | 383cd/m2 | 326cd/m2 |
最大黒レベル | 0.40cd/m2 | 0.39cd/m2 | 0.35cd/m2 | 0.33cd/m2 |
最大コントラスト比 | 1180:1 | 1079:1 | 1094:1 | 987:1 |
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