(編集部注:米CNETによる「Kindle Fire HDX 8.9」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。後編は12月4日に公開されています)
「Amazon Kindle Fire HDX 8.9」は、小型モデルである「Amazon Kindle Fire HDX 7」と同様に3つの素晴らしい特徴があり、これによってタブレット市場の最上位に狙いを定めている。その特徴とは、市場で最も優れた大型高級タブレットにも負けない(つまりそれよりも安い)価格設定、「iTunes」にも劣らない充実したコンテンツエコシステム(特に米国Amazon Primeの契約者であれば)、そして新たに導入された「Mayday」ボタンを押すとAmazonの担当者が即座にビデオチャットの画面に現れる無償のリアルタイムカスタマーサービスだ。
Kindle Fire HDX 8.9はそれらすべてを備えているうえに、8メガピクセルの背面カメラと、より鮮明で色再現性の高いスクリーンを採用することで、7インチモデルよりも優れた製品になっている。さらに、現在市場に出回っている大型タブレットの中では最軽量だ。
ただし、16Gバイトというストレージ容量は、HDコンテンツを保存していくとすぐに足りなくなってしまう。さらに、今回も「Google Play」ストアにアクセスできないため、利用できない「Android」アプリが多い。
それでも、メディア消費だけに利用するデバイスとしては、これ以上のものはない。確かに「iPad Air」では数多くの優れたタブレット向けアプリを利用できるが、Kindle Fire HDX 8.9の最低価格は379ドルで、iPad Airよりも120ドル安い。さらには、先日発売された小型モデル「iPad mini with Retina Display」の価格をも20ドルほど下回っている。
Kindle Fire HDX 8.9は、Kindle Fireブランドの中で最も強力に進化した製品だ。しかし、このタブレットを最大限に活用するためには、米国Amazon Primeのメンバーになるのがよいだろう。
2012年モデルの「Kindle Fire HD」は、分厚くがっしりした製品で、使いやすさよりも耐久性が優先されているように思えた。一方、Kindle Fire HDX 8.9のデザインは、旧モデルよりもはるかによく考えられている。重量はわずか0.82ポンド(約372g)で、筆者がイメージする大型タブレットよりかなり軽い。バランスが取れた感じがするので、片手で持つのも簡単だ。また、軽いが軽すぎるというほどではない。
電源ボタンと音量ボタンは背面に移動していて、以前のKindle Fire HD 8.9と比べれば見つけやすく、押しやすくなっているものの、それが最善のソリューションであるかどうかは確信が持てない。横向きの状態にして持つときには問題ない(背面のエッジを触れれば分かる)が、スリープからすぐに復帰させたいときに、単に側面のボタンを押すのではなく、まず手に取って、それから背面にあるボタンを探り当てなければならないのは面倒だ。
比較した仕様 | Amazon Kindle Fire HDX 8.9 | Apple iPad Air | ASUS Transformer Pad TF701 | Microsoft Surface 2 |
---|---|---|---|---|
重量(ポンド/g) | 0.82(約372) | 1(約469) | 1.27(約576) | 1.44(約653) |
横置き時の幅(インチ/cm) | 9.1(約23.1) | 9.4(約24.0) | 10.3(約26.2) | 10.8(約27.4) |
高さ(インチ/cm) | 6.2(約15.4) | 6.6(約16.95) | 7.1(約18.0) | 6.8(約17.3) |
厚さ(インチ/cm) | 0.31(約0.79) | 0.29(約0.75) | 0.34(約0.86) | 0.35(約0.89) |
横置き時の左右ベゼル幅(インチ/cm) | 0.7(約1.8) | 0.8(約2.0) | 0.8(約2.0) | 0.7(約1.8) |
左側面にはMicro-USBポートが、右側面にはヘッドホンジャックがある。2012年モデルにあったMicro-HDMIポートは、新たなビデオミラーリング機能の採用によって廃止された。前面カメラは、本製品ではきちんとしたカメラアプリとともに復活しており、8メガピクセルの背面カメラも搭載されている。
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