「Kindle Fire OS」の新バージョン「Mojito」は、「Android」の「Jelly Bean」をベースにしており、まったく新しいOSというよりも2012年版のOSを洗練したものだ。
カルーセルも復活し、コンテンツをスワイプで次々に表示できる。また、このモデルでは、ホーム画面で上方向にスワイプすると、インストール済みのアプリ群が表示される。さらに、高解像度スクリーンのおかげで、すべてのメニュー項目がホーム画面上部に同時に表示されるようになった。
画面上部から下方向にスワイプすると、以前と同じように、ショートカットメニューと設定ボタンが表示される。メニューには、すべての通知をオフにする「Quiet Time」ボタン(そのために独自のボタンが必要かどうかは疑問だ)とMaydayボタンが新たに追加された。Maydayボタンについてはこの後で詳しく紹介する。
「Silk」ブラウザは不格好で安っぽいアプリだったが、それがついに、ウェブアクセスに便利で、快適なツールへと変わったように感じる。筆者のウェブの使い方にも対応できるようになった。ページの読み込みは速く、スワイプにも素早く反応する。
タップ操作もはるかに正確になった。リンクをタップするときに限らず、特にタイピングのときには素晴らしかった。筆者は通常、タッチスクリーンでタイピングすると、山ほど打ち間違いをする。しかし筆者もついに、突如としてタイピングがうまくなったか、あるいはAmazonのエンジニアがこの機能を大幅に改善したか、どちらかのようだ。後者が正解だと思うが。
おそらく筆者は、トラブルのないウェブエクスペリエンスに多少興奮しすぎなのだろうが、実際のところ特別なことは何もない。ほとんど問題なく動くというだけだ。ただ、以前のKindle Fireタブレットと比較すれば、かなり特別なことといえる。
Amazonは同時に、電子メールやカレンダーといったほかのネイティブアプリも見直し、また新しい連絡先アプリを追加した。電子メールは、少ないステップで設定できるよう再設計されており、スレッド形式での会話にも対応するようになった。会話に参加している人からのメールが1通ずつ表示されるのではなく、そのスレッドに最後に投稿した人からのメッセージが表示される。
カレンダーには気の利いた改善点がいくつもあり、全体としてインターフェースの効率性が高まり、使いやすいものになっている。
ストレージの管理もかなり簡単になった。タイプ別にアイテムを分類でき、それぞれのコンテンツを即座に削除できる。
こうした変更点の大部分はうまく機能しているが、カスタマイズ機能の強化は行われていない。サムスンは、「GALAXY Note 10.1」の2014年モデルにも搭載された「TouchWiz UI」の最新バージョンで、カスタマイズ機能を追加して成功している。サムスンのショートカット群は、Amazonのものにかなり近い動作をするが、左にスクロールすることで、より多くのオプションが表示できるほか、さらに多くのオプションを追加するようにカスタマイズすることもできる。
この新しいOSの素晴らしさを伝えるには、「Snapdragon 800」について触れないわけにはいかない。同プロセッサの採用は、Amazonがついに、処理能力とインターフェース上のオーバーヘッドのちょうど良いバランスを見いだしたことをはっきりと示している。インターフェースのさまざまな部分へのアクセスが、はるかに短時間で行えるようになり、全体的にストレスやイライラの少ない使用感が実現した。
「X-Ray for Music」は、Kindle Fire上のカラオケのような機能だ。この機能に対応した曲を再生すると、スクリーンに歌詞が表示される。歌詞は曲が進むタイミングに合わせて表示されるようになっており、筆者が考えていたよりもはるかに面白い機能だ。しかしそれは、正確に言えば、好きな曲の正しい歌詞が分かるのが楽しいからかもしれない。
さらにX-Rayには「Jump to scene」(シーンへのジャンプ)という便利なボタンがあり、お気に入りの映画やテレビ番組について、効率的に調べられるようになっている。
筆者がKindle Fireのインターフェースでこれまでも評価してきたのは、コンテンツの整理方法だ。ほかのOSでは、アプリのアイコンが何ページにもわたって並ぶが、Kindle Fireでは、コンテンツの種類ごとの独立したセクションに分けられている。「Audiobooks」をタップすると、自分のオーディオブックがすべて表示されるし、「Store」をタップすればコンテンツの追加が簡単にできる。コンテンツをすべて自動で整理してくれるのは快適なものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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