上述した新機能の他に、Windows 8.1ではロック画面やスタート画面に好きな画像やスライドショーを追加できるようになり、カメラアプリの機能も向上している。また、Bing検索がアップデートされ、芸術家や政治家といった著名人についてはあらかじめ用意された内容が表示されるようになっている。
Windows 8.1における新機能と改善はすべてポジティブなものであるが、理想と現実の間にある本質的な溝は残っている。このため、Windows 8は好きになれないという人が、Windows 8.1を気に入るということはないだろう。Windows Storeやデスクトップ上のコンテキストメニューが改善されるなど、ポジティブな点が数多く盛り込まれても、イライラの多くは解消されないままとなっている。
IEのデフォルト検索エンジンをBing以外に変更するのは、いくらかでも簡単になっているのだろうか?答えはノーであり、まだ複雑な作業が必要となる。メインのタイルインターフェース上でバッテリ残量や残り使用時間をひと目で確認できるだろうか?いや、そういったものはいまだに、何らかの操作なしには見ることができない場所に隠されている。タイルインターフェースから2種類のウェブブラウザ、例えばIE11と「Google Chrome」を同時に実行できるだろうか?それもできない。Microsoftはウェブ閲覧をゼロサムゲームとして捉えており、一方が勝てば、他方は負けなければならないと考えているように思われる。
Microsoftは、OSに同梱しているアプリと同種の他社製Windows Storeアプリを少なくとも組み込みにくくすることで、四方を壁で囲まれたアプリの庭園内にユーザーを囲い込むという、iOSで見られるような戦略をとろうとしているのではないかと筆者は考えている。Steamや「iTunes」といったアプリを起動するために、いちいち旧来のWindowsデスクトップ画面に戻る必要があるのだろうか?そんな必要はないはずだ。公平を期すために述べておくと、AppleやGoogleをはじめとする他社も、メディアや連絡先、メール、予定などの管理アプリが相互に連携するエコシステムにユーザーを囲い込むもうとしている。
一般的なPCユーザーはどうすればよいのだろうか?アップグレードに関する筆者からのアドバイスは以下のようなものになる。
あなたが既にWindows 8のユーザーなのであれば、アップデートは無償であり、ほとんどシームレスなものとなるうえ、ちょっとした改善や新たな機能追加がある。このため早急にアップグレードするのがよいだろう。
あなたがWindows 7ユーザーであり、古くなったPCのアップグレードを考えているのであれば、新しいPCを買う時まで今のOSを使い続けるのがよいだろう。こういった場合、そのWindows 7搭載PCにはおそらくタッチスクリーンが搭載されていないはずだ。そうなのであれば、Windows 8やWindows 8.1が提供する機能の多くは利用できないのである。
Windows 8はリリース当初から気に入らなかったため、新しいPCの購入を控えてきたというのであれば、このアップデートでもあなたの考えは変わらないだろう。しかし、Windows 8に対する悪い印象は少し誇張されて伝わっている可能性が高い。また、ゲームPCを購入しようとしているのでない限り、今後購入するPCにはWindows 8(今ではWindows 8.1)が搭載されているはずであるため、慣れた方がよさそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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