「Windows Store」は、Windows 8が登場するかなり前からその売りとしてうたわれていたが、使ってみると期待通りとは言えなかった。各アプリの小さなタイルが淡々と並んでいるそのレイアウトは、アプリをブラウジングするうえでどうしても不満が残るものとなっていた。OS X向けや「iOS」向けのアプリが入手できるAppleの「App Store」の特長となっているような、厳選されたアプリが表示されるシステムは事実上ないに等しかったため、ユーザーはWindows Storeにおいて、「Netflix」や「Halo: Spartan Assault」といった人気アプリだけでなく、「Super Mario Bros.」を真似たアプリも含め、雑多なソフトウェアの山を目にすることになっていた。
最大の失敗はPCゲームというジャンルに見られる。「Steam」や「GOG」といった、PCゲームのダウンロードサイトやアプリは、第一級かつ最新のゲームからカジュアルなゲームに至るまでのすべてのものを提供している一方、MicrosoftのWindows Storeはおそらく、ほとんどすべてのマシン上で実行できるようなアプリのみをそろえようとしているようだ。このため、「Angry Birds」や「Jetpack Joyride」のような、携帯電話/タブレット/ブラウザレベルのゲーム以上のものは提供されていない。大々的に宣伝されている独占タイトルであるWindows 8向けHaloでさえ、本質的には「iPad」スタイルのゲームでしかない。
新しいWindows Storeで提供されているアプリのスタイルや質は、現時点でそう大きく変わっていないものの(ただ、Microsoftは現在では10万本以上のアプリが提供されていると述べている)、表示するアプリはより厳選され、表示方法も改善されているのが明らかだ。1つのアプリが大きな画像で目立つように表示され、その隣には9個の「おすすめアプリ」がグリッド状に並ぶようになった。そしてそれらは筆者がアクセスした際には、すべてが少なくともそこそこ興味をそそられるものとなっていた。iOSや「Android OS」のアプリストアと同様に、「新着」や「人気急上昇中」「人気トップ(有料)」といったカテゴリに分類されたアプリが目立つかたちで表示され、各アプリのページレイアウトはアプリの説明や、ユーザーによる評価とレビュー、画像、関連リンクが単一のページ(とは言うものの、ページが横長であるため、横スクロールしていかなければならない)にまとめられ、はるかに良くなっている。以前のWindows Storeでは、こういった情報が複数のタブに分割され、いちいち手でクリックしていかなければならなかった。
また新しいWindows Storeでは、アプリの更新が楽になる自動アップデートや、購入履歴に基づいたお勧めアプリの提示が可能になっている。なお、すべてを自らの意思で行いたい人のために、これらの機能を無効化するオプションも提供されている。
IE10はWindows 8と緊密に統合されていたため、Windows 8.1へのアップグレードにともなって新たなバージョンが登場しても驚くに値しない。IE10の時点で既にシングルウィンドウ化され、タブが非表示になり、アドレスバーが画面の下部に移動され、簡素化されたオプションメニューが画面の右側からスライドしてくるという革新的な変更が行われていたため、新しいバージョンではさほど大きく変化したようには感じられない。しかし「IE11」では、より多くのタブを開けられるようになり(Microsoftによると最高100個まで!)、非表示のタブ群は、デフォルトでは画面上部ではなく下部に表示されるようになっている。
Windows 8搭載PCを1年に渡って使用した経験から言うと、IE10(そして現在のIE11)は競合製品よりも優れたパフォーマンスを発揮しており、ページのロードは高速でスクロールもずっとスムーズに行われる。これは「Atom」プロセッサを搭載したローエンド機種において特に感じられる。こうした最適化が可能なのは、ブラウザとOSが緊密に統合されているためであり、IEをはじめとするMicrosoftのいくつかのWindows 8アプリはすべて、効率の非常に高いこの最適化の恩恵を受けている。
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