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アップルの新しい小売責任者--人物像から読み解くApple Storeの変化の可能性 - (page 2)

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年10月21日 07時30分
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 Appleの場合、同社の製品はそうした全速力での成長を既に経験しており、タブレットやスマートフォンの市場が成熟するにつれて、ここ数か月は成長がやや鈍化している。しかし、その小売帝国を拡大しようというAppleの努力は減速していない。同社は2012年、新たに33店舗をオープンさせた。2011年の40店舗からは減少しているが、新規店舗の多くが、Appleが売り上げの拡大と多様化を目指す米国以外の地域にオープンしている。

Angela Ahrendts氏。
Angela Ahrendts氏。
提供:Burberry

 そして多様化と言えば、Ahrendts氏が実店舗そのもので成功するのは遠い将来のことではないかもしれない。Stern氏は、「Apple Storeの課題の1つは、製品の自己主張が強いために、ある意味でショッピング体験が失われていることだ。例えば『iPhone』自体が中心になってしまっている」と言う。高級品を販売する企業から来たAhrendts氏が指揮を執ることにより、期待できる変化との1つとしてStern氏が挙げるのが、展示品を増やして顧客の呼び込みに力を入れることだ。

 Appleとしては、このコンセプトを過去数年試してきており、自社の「iPad」を製品横に置かれた静的な商品説明に代わるツールとして利用している。同社はまた、顧客が製品を調べたり購入したりできるだけでなく、質問をするために販売員を呼び出すことのできる携帯電話向けアプリの使用を推奨している。

 より最近では、Appleはこれと同じ精神を製品に取り入れている。例えば、同社の新しい主力製品である「iPhone 5s」にはゴールドが用意されているし、より低価格の「iPhone 5c」には、虹のようなさまざまなカラーがある。過去10年にわたってほとんどのApple製品のイメージを作り上げてきたブラック、ホワイト、グレーというカラーとは対照的だ。

 もちろん、Ahrendts氏が直観の力を理解しているからといって、同氏がデータやテクノロジに精通していないということではない。2006年にLiz ClaiborneからBurberryに移った同氏は、150年以上の歴史を持つブランドに新たなデジタル経営体制を取り入れた。ソーシャルサービスの利用を開始して、Facebookファンには限定商品を提供したほか、ファッションショーに出る直前のBurberryモデルについてライブツイートした。また、Fortuneの2012年6月号の記事によれば、同氏はSalesforceやSAPのようなエンタープライズソフトウェアを同社の運営に組み込んだという。

 同氏はさらにSalesforceの社交的なCEOであるMark Benioff氏と親しい関係を築いている。Benioff氏はこの記事のためのインタビューには応じなかったが、次のようなツイートで熱い支持を打ち出している。

 Steve Jobs氏が世を去った後に、Tim Cook氏が雇った一番の大物がAngela Ahrendts氏だ。彼女は真のビジョナリーであり、今やCook氏の右腕で、同氏の後継者でもある。

 Burberryでは、Ahrendts氏はオンラインとオフラインの世界を融合させる役割も果たした。Burberryのartofthetrench.comは、顧客が同社のトレンチコートを着た自分の写真を投稿できるというサイトだ。ロンドン店の一部商品にはRFIDタグがついており、顧客が自分の携帯電話で、その商品の製造過程についての動画を見られるようになっている。Burberryはまた、同氏の監督の下で、2011年に北京の旗艦店のオープンを祝うために、ホログラムを利用した店内ファッションショーを開催した。

 とはいえAppleは、既にそうしたマーケティングの多くを購入者の視点から考え出している。同社は、ごくまれにだが店舗での特売を行っているし、オンラインストアのダウンタイムは一時的であってもニュースになっている。新製品が発売されると、それを一番に買うために何日も並んだり、会社を休んだりする人さえいる。これ自体が、物流の面で完璧という域に近いプロセスだ。そういった意味では、倉庫の中で起きることや従業員を変えるというAhrendts氏の最大の影響は、店舗のショーウィンドウのディスプレイにさえ見られないかもしれない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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