Microsoftは、「Windows Phone」向け「YouTube」アプリの最新バージョンで、基本に立ち返っている。
米国時間10月7日にリリースされた、このアプリのバージョン3.2では、以前のバージョンにあった追加機能がすべてなくなっている。Windows Phone Centralによると、YouTubeビデオのリンクをクリックすると、単にYouTubeのモバイル向けウェブサイトにリダイレクトされるようになっているという。これは本質的に、そもそも専用アプリを使うという目的全体を否定するものだ。
MicrosoftがYouTubeアプリの機能を切り捨てたのはなぜだろうか。
Microsoftは過去数年間、このアプリをめぐりGoogleと争ってきた。Microsoftは当初、Googleが一部のYouTubeのメタデータを意図的にブロックしている一方で、「Android」や「iOS」搭載の端末にはアクセスを認めているとして、同社を非難していた。MicrosoftのゼネラルカウンセルであるBrad Smith氏は2011年に、その状態ではMicrosoftのWindows Phone向けYouTubeアプリは、「基本的には、YouTubeのモバイルウェブサイトを表示するブラウザにすぎない」と述べている。
Microsoftは5月、完全な機能を備えた「Windows Phone 8」向けYouTubeアプリをリリースした。このアプリにユーザーは喜んだようだが、Googleはそうではなかったようだ。Googleは、Microsoftにアプリの公開中止を求める書簡を送り、同アプリがGoogleのサービス利用規約に違反し、広告を表示せず、動画のダウンロードを可能にしたと指摘した。Microsoftは同アプリをアップデートし、動画ダウンロード機能を停止したものの、依然として広告は表示しなかった。
最終的に両当事者は、ネイティブのYouTubeアプリを共同開発することによって和解することで合意した。8月にMicrosoftは完全な機能を備えた新たなYouTubeアプリを発表し、これは当初、新しい共同のアプリになると考えられていた。しかし、アプリが機能しないというユーザーからの苦情が出た後に、Googleは同社がこのアプリによるYouTubeコンテンツへのアクセスをブロックしていることを明らかにした。
YouTubeアプリはHTML5を使って構築されるべきであるため、その点で新しいアプリはGoogleのサービス利用規約に違反しているというのがGoogleの訴えの中心となっている。これに対し、MicrosoftはGoogleを厳しく非難し、HTML5によるYouTubeアプリの開発は「技術的に困難で、時間がかかる」と主張した。その非HTML5アプリは、MicrosoftがHTML5バージョンの開発を長期的に続ける間の応急処置的な手段とみられていた。
最新のアップデートをみると、MicrosoftはHTML5バージョンの開発を諦めたか、あるいは単に、HTML5アプリが完成するまで、必要最小限の機能を搭載したアプリを配布しているかのどちらかのようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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