UPDATE MicrosoftとGoogleは「Windows Phone」向け「YouTube」に関して妥協点を見出したかに思われたが、その期待は完全に打ち砕かれた。
The VergeのTom Warren氏が米国時間8月15日に指摘したように、GoogleはリリースされたばかりのWindows Phone向けYouTubeアプリをブロックしている。われわれが最後に聞いた話では、これは同アプリの新バージョンで、MicrosoftとGoogleが共同開発したことになっていた。
GoogleもMicrosoftも、Googleが同アプリをブロックしていることを認めている。
Googleは次のように述べている(広報担当者の声明より)。
「当社は、さまざまなデバイスで一貫性のある素晴らしいYouTube体験をユーザーとクリエーターに提供することに献身的に取り組んでいる。そして、HTML5をベースとする、完全な機能を備えたWindows Phone向けYouTubeアプリを構築するために、Microsoftと共同で作業を行っている。残念なことに、Microsoftは完全な機能を備えたYouTube体験の実現に必要なブラウザのアップグレードを実施せずに、当社のサービス利用規約に違反するYouTubeアプリを再びリリースしてしまった。現在、同アプリは無効になっている。われわれは当社の大規模な開発者コミュニティーを尊重しているので、相手が誰であろうと同じガイドラインを遵守することを求めている」(Google)
Microsoftは次のように述べている(広報担当者の声明より)。
「Googleは、アップデートされた当社のWindows Phone向けYouTubeアプリをブロックしている。われわれは現在、同社とともにこの問題の解決に取り組んでいる」(Microsoft)
MicrosoftがGoogleの基準を満たすためにどのような変更が必要なのかについて、筆者はMicrosoft関係者に質問をしている。また、MicrosoftはアップデートされたYouTubeをいつ「Windows Phone Store」でリリースする予定なのかについても質問している。Microsoft関係者から回答は得られていない。
Microsoftは5月初め、「Windows Phone 8」向けに、独自に開発した「YouTube」アプリを公開した。しかし、同アプリがGoogleのサービス利用規約に違反し、広告を表示しなかったことと、動画のダウンロードを可能にしたことが問題となった。GoogleはMicrosoftにアプリの公開中止を求める書簡を送った。その後、Microsoftは同アプリをアップデートし、動画ダウンロード機能を停止したものの、依然として広告は表示しなかった。そして、MicrosoftとGoogleは5月下旬、広告表示を有効にすることを含め、YouTubeのサービス利用規約を順守する、新たなWindows Phone向けYouTubeアプリを共同開発することを発表した。
更新情報:Microsoftは現在、GoogleがMicrosoftにYouTubeアプリをHTML5で構築するよう求めたことが理由で、このアプリに関するGoogleとの共同作業は終了したと述べている。同社によると、「iPhone」向けYouTubeアプリも「Android」向けYouTubeアプリもHTML5で構築されてはいないという。そのため、Microsoftは今週、同アプリの非HTML5バージョンをWindows Phone Storeで公開する決定を下した。
Googleの措置を受けて、MicrosoftのコーポレートバイスプレジデントであるDavid Howard氏は同社公式ブログに投稿し、「Googleが当社のアプリをブロックする理由は、でっち上げられたもののようにわれわれには思える。その目的は、AndroidおよびiPhoneユーザーが享受しているのと同じ体験をわれわれが当社ユーザーに提供できないようにすることだ。Googleが提示した条件を満たすのは不可能であり、彼らもそのことは分かっている」と述べた。
筆者はGoogleにコメントを求めたが、まだ回答を得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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