Googleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Page氏は、テクノロジ業界は協力すべきだと考えている。Page氏は「Google I/O」での発言で、業界における「われわれ対彼ら」という競争意識が業界における全体的な進歩を遅らせるマイナス要因を生んでいると述べた。また、同氏は「私が読んだGoogleに関する記事はどれも、われわれ対他社の構図に仕立てた話であったり、いくらか馬鹿げたものであったりする。否定的な見方をすることは、われわれが進歩するやり方ではない。最も重要な事はゼロサムではない。世の中にはたくさんの機会が存在するのだから」と指摘した。
Page氏は、Microsoftをやり玉に挙げ、同社が最近「Outlook.com」のユーザーに「Google Chat」へのログイン機能を提供したのに対し、その逆、すなわちGoogle ChatユーザーにはOutlookユーザーへのアクセスを提供しなかったことに言及した。
また、Page氏は「こうしたすべてのことにまつわる業界の行動について、個人的にはとても残念に思ってきた。IM(インスタントメッセンジャー)と同じように物事をシンプルに扱えば、この先ずっと相互運用するという開かれた提案ができただろう。だが、Microsoftは今週、われわれとの相互運用によってそうした関係を巧みに利用した。これは本当に悲しいことであり、進歩するためのやり方ではない。企業は自社の利益のためだけに、1つの企業から甘い汁を吸わせるように人々を仕向けることはできない」と述べた。さらに、Googleは物事の正しい側に立とうとしていること、そして、技術標準を前進させるための方法を見出すことに現実的であることを付け加えた。
Page氏は、進歩のスピードについても嘆いた。「ウェブは、本来あるべき速さで進歩していない。確かに、われわれはMicrosoftといった企業と激しく競争しているが、よりオープンな標準に期待し、そうしたエコシステムに関わる人々がさらに増えてほしいと思っている」(Page氏)
一方、Page氏のこうした発言に対して、Microsoftの広報担当者であるFrank Shaw氏は電子メールで返答し、Googleが「Windows Phone」向けにリリースされた新たな「YouTube」アプリを外すようMicrosoftに要求したことについて、Page氏とGoogleをたしなめた。
Googleが本日下した、Windows PhoneからYouTubeアプリを削除するという停止命令を提出した決断を考えると、Page氏が相互運用性の議論に意見を述べているのは皮肉なことだ。ましてや、当社の顧客が『Gmail』アカウントを使って『Windows』のエクスペリエンスにつながることをいっそう困難にする決断を同社が最近下したことについては、言うまでもない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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