「iPhone 5c」レビュー--低価格版でも高性能、カラフルな外観 - (page 6)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年10月01日 07時30分

誰のための携帯か?

 iPhone 5cの立ち位置は、AppleのノートPC製品群における白いMacBookのそれと同様であり、一般ユーザーのあらゆるニーズを満足させるツールを網羅した、全方向性のスマートフォンだと言えるだろう。iPhone 5sでのみ提供されている機能は、無いと困るというものではない。iPhone 4SからiPhone 5という昨年の大幅な進歩の際とは異なり、基本的なニーズはすべて網羅されている。

 iPhoneが99ドルで販売されるのは、別に目新しいことではない。Appleは、新しいバージョンのiPhoneの発売を機に「去年のiPhone」を100ドル値下げするという戦略を何年も前から採用している。過去12カ月間を見てみても、2011年の「iPhone 4S」は99ドルという価格で販売されていた。現在では、新たに契約すると8Gバイトのモデルが無料で入手できる。しかし今回のように、ここまで素晴らしい、再設計された新製品が99ドルで提供されるのは初めてである。

 最新かつ高品質なグラフィックスやカメラを必要としない人々、あるいは古い携帯を後生大事に使っている人々(筆者の母親など)にとって、iPhone 5cはうってつけだと言える。iPhone 5cやiPhone 5sはいずれも極めて洗練された携帯であるため、最近アップグレードしていないのであれば、今が買い替え時と言えるだろう。

 しかし、iPhone 5を既に持っているのであれば、それはメタルボディ製のiPhone 5cと変わりはない。このため、買い替える必要はないだろう。

提供:Josh Lowensohn/CNET
提供:Josh Lowensohn/CNET

 ちなみに筆者は、母親の携帯電話をiPhone 5cに変えさせようと説得するつもりでいた。しかし、母親は長い間携帯電話を買い替えておらず、その主な使い道もカメラとして孫の写真を撮影するぐらいであったため、100ドルばかり追加投資してiPhone 5sに買い替えた方がよいと気付いた。同じ論点が多くの人にも当てはまるかもしれない。とは言うものの、性能を少し落としたAppleのこのiPhoneは、スマートフォンを新たに持とうとする人々にとってこれまでにないほど素晴らしい選択肢であり、主流のiPhoneのための新たな基準であると感じられる。iPhone 5sは、極めがいのある最先端のテクノロジを搭載した「Pro」に相当する製品であり、iPhone 5cはそういったテクノロジを追求していない層に向けた製品というわけだ。

 最終的に、筆者の母親はiPhone 5sを購入した。100ドルを節約したいという切実なニーズがない限り、あなたもそうするべきだ。そういったニーズがある、あるいは明るい色のプラスチック製携帯を心の底から欲しいのであれば、iPhone 5cを選択するのがよいだろう。Appleは世界のスマートフォン市場に大旋風を巻き起こしたわけではないかもしれないが、iPhone 5cは入手しやすいiPhoneに向けたさらなる一歩と言える。最新技術は不要であるものの、一般的なユーザーが日常的に必要とすることすべてを満足できるiPhoneを選べと言われたら、筆者はiPhone 5cを選ぶだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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