電子書籍の独占禁止法違反訴訟において、米連邦地裁判事はAppleに対し、同社が出版社と結んだ契約を修正するとともに、是正命令に確実に従うために外部からの監視要員を2年間雇用するよう命じた。
Appleが監視導入に強く反対したのに対し、同社を相手取った独占禁止法違反訴訟で7月に勝訴した米司法省は、Appleによる独占禁止法違反を再発させないために外部からの監視が不可欠であると述べていた。
司法省反トラスト局担当のBill Baer司法次官補は声明で、「将来における独占禁止法の順守を確実にするために外部からの監視要員を指名することにより、裁判所はAppleによる不正行為から消費者を保護することに貢献している」と述べた。「今回の裁判所の裁定は、米司法省が消費者のために勝ち取った勝利をさらに強いものにする」(Baer司法次官補)
Denise Cote判事は、監視期間を命令の実際の有効期間である5年間より短くすることを命じたが、1年単位で1回以上延長することが可能だと述べた。また、命令自体は、必要に応じて1年単位での延長が可能だ。同判事はまた、Appleと司法省は会合により外部からの監視についての合意に努めなければならないと述べた。Appleは今後、命令の順守を確実にするため、司法省あるいは原告となっている州に対し、同社とその従業員に接する機会を設ける必要がある。
ただし、Cote判事は米政府が提案したその他の是正策については一部を排除した。これらの是正策には、電子書籍で競合するAmazonといった企業に対し、各社の電子書籍ストアへの直接的なリンクを「iOS」向けアプリに追加することをAppleへの対価不要で認める条項が含まれていた。全体として、今回下された命令は「iBookstore」に限定して適用され、Appleのその他のオンラインストアは制限されない。この命令は5日に提出され、6日に公開された。
一方、Appleは今回の命令に対して異議申し立てを行う意向だ。
同社は声明で、次のように述べた。「Appleは電子書籍の価格操作を企てたことはない。iBookstoreは顧客に対してより多くの選択肢を与えるとともに、切望されている革新と競争を市場にもたらした。Appleはこの命令に対して上訴を求めていくつもりだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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