「GALAXY Gear」に表れるサムスンの決意--追随者から真の革新者へ

Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年09月10日 07時30分
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 「GALAXY Gear」スマートウォッチの発表をもって、サムスンは追随者であることをやめたと宣言した。ただし、市場がそれに同意するかどうかは分からない。

 サムスンはモバイルに関して多少の劣等感を抱いてきた。世界最大の携帯端末ベンダーでありながら、常にAppleと比較され、何かが足りないと指摘されることも多い。例えば、同社デバイスのいかにもプラスチックといった感触や、「Eye Scroll」などの機能が必ずしも期待ほどスムーズに動作しないという手痛い教訓などだ。しかし何より、サムスンは模倣主義の企業として認識され、同社が作るデバイスはAppleが既に完成させたものだと捉えられている。

 Gearは、サムスンが他社にいち早く追随する企業でしかないという見方を覆す好機だ。確かにサムスンはスマートウォッチをリリースする最初の企業ではないし、Gearがスマートウォッチ市場における同社の最初の試みというわけでもない。しかし、現在のすべてのスマートウォッチメーカーの中で、実際に一定の支持を得られるだけの大規模なユーザーベースとマーケティング力、ブランド認知度を兼ね備えているのはサムスンだけだ。Gearは、サムスンが革新的で大きな話題になる製品を作り、リーダーとしての地位を早期に確立できることを示す好機である。少なくともその点においては、同社は成功している。今回、遅れを取り戻そうとしているのはAppleの方だ。

 Appleは将来的なデバイスの種類をそれとなくほのめかしてきたが、ウェアラブルデバイスの発表時期や、製品の具体的な機能は明らかにされていない。市場ウォッチャーは「iWatch」のリリースが2013年か2014年になると推測している。サムスンはその間、既に市場に参入している多くの競合企業に立ち向かうことになるだろう。競合にはソニーやPebble、Martianなどがいる。チップメーカーのQualcommも米国時間9月4日に独自のスマートウォッチを発表した。こうした企業は販売台数が多いわけではないが、大きな話題を作り出している。

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サムスンのGALAXY Gearは、今後数週間で発売される予定だ。
提供:Josh Miller/CNET

 しかし、サムスンが相当数の自社デバイスを販売できるかどうかは極めて疑わしい。当初、Gearを利用できるのは同社のファブレット「GALAXY Note 3」を購入した人に限られるため、潜在的なユーザー数は大幅に少なくなるだろう。Gearは間もなくほかのデバイスにも対応する見通しだが、それも「GALAXY S」やNoteシリーズなど、同社のほかのハイエンド製品に限定される。サムスンはGearによって新規顧客を惹き付け、独自のエコシステムを構築できるかもしれないが、同社の消費者に対する支配力はAppleに遠く及ばない。Gearの機能は広く一般のユーザーを惹き付けるのか、それとも少数のアーリーアダプターの興味を引くだけなのかも疑問だ。

 Juniper ResearchのアナリストであるNitin Bhas氏は次のように述べる。「結局のところ、これに関しては消費者の感じ方が極めて重要だ。すべての人が(Appleやサムスンの熱狂的なファンほど)テクノロジを理解しているわけではない。スマートウォッチは大きな市場になるだろうが、スマートフォンやタブレットに比べると、今後もニッチな市場のままだろう」

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