グーグル、ブラウザなしで利用できる「Chrome Apps」を発表

Seth Rosenblatt (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫2013年09月06日 12時41分

 Googleは米国時間9月5日、人々がブラウザなしでウェブアプリケーションを利用したいと思っていることを確信して、新しい「Chrome Apps」を発表した。

 開発段階では「Chrome Packaged App」として知られていたChrome Appsは、ウェブ開発者が自分のサイトを、ネイティブコードで作成されたアプリケーションやプログラムのように機能するパッケージ化されたアプリケーションに変えることができる。現在、「Windows」版Chromeと「Chrome OS」搭載の「Chromebook」でしか利用できず、「Mac」版と「Linux」版は準備中だ。

 公開前からChromeブラウザに取り組んできたChrome担当エンジニアリングディレクターのErik Kay氏は、「これは、Chrome OSでネイティブアプリケーションを提供するための手段だ」と説明する。

 注目すべきアプリケーションとしては、ちょっとした画像編集に使える「Pixlr Touch Up」、ToDoリストを管理する「Wunderlist」や「Google Keep」などがあり、「Spelunky」「Tank Riders」のようなゲームもある。

Chrome Appsランチャーとアプリは当初、WindowsとChromebookでの利用が可能となる。
Chrome Appsランチャーとアプリは当初、WindowsとChromebookでの利用が可能となる。
提供:Google

 Kay氏の説明によると、Chrome Appsは多くの点でネイティブコードとブラウザ開発のマッシュアップだという。

 Chrome Appsは、オフライン状態でも利用でき、BluetoothやUSBなど下位のシステムリソースへのアクセスや、デジタルカメラをはじめとする周辺機器との通信など、ウェブサイトでは不可能な機能を持つ。また、アップデートを自動で行うほか、セキュリティの面ではChromeのサンドボックス機能を利用しており、クラウドアプリケーションやモバイルアプリケーションのように同期やアプリ内課金も可能だ。さらに、デスクトップ通知も表示できる。

 それでいて、開発者は、ブラウザによって課される設計上の制約から解放される、とKay氏は言う。

 「(Chrome Appsは)システムとの通信方法にいたるまで、外観を完全に管理する」とKay氏は述べた。つまり、アプリケーションの外観についてはChromeブラウザのインターフェースに依存せず、モバイルアプリケーションに近い外観のアプリケーションを開発者が開発できるということだ。

パッケージ化されたアプリケーションは、同じHTML、CSS、JavaScriptなどのテクノロジを使って通常のウェブアプリケーション同様に書くことができる。
パッケージ化されたアプリケーションは、同じHTML、CSS、JavaScriptなどのテクノロジを使って通常のウェブアプリケーション同様に書くことができる。
提供:Google

 Kay氏によると、今も提供されている「Chrome Web Apps」は、「凝ったブックマーク」と大して変わらないという。

 「ホスティング型アプリケーションは、ホスティングされている既存のウェブサイトを容器に入れ、HTML5の権限を一部バンドルし、大きなアイコンを与える手段だった。根本のところでは、やはりウェブサイトに過ぎない」(Kay氏)

 最初のリリース時にはまだ制限があるが、Chromeが稼働していればどこででもアプリケーションが使えるようにする計画だ。Chrome Appsはポータブルで、「ひときわシームレスなオンボーディング体験」がある、とKay氏は語る。「C++や『Native Client』(など)Chromeで使えるどんな技術とも連携できる」

人気のあるPocketのあとで読むサービスもChrome Appだ。
人気のあるPocketのあとで読むサービスもChrome Appだ。
提供:Google
Until AMは、オーディオミキシングアプリで、SoundCloudやGoogle Driveにつながっている。
Until AMは、オーディオミキシングアプリで、SoundCloudやGoogle Driveにつながっている。
提供:Google
PixlrのChrome Appは、画像エディタとして典型的なブラウザインターフェースとは一線を画している。
PixlrのChrome Appは、画像エディタとして典型的なブラウザインターフェースとは一線を画している。
提供:Google

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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