これは、ようやく登場した、PCの代わりになるだけのパワーと気概を備えたモバイルデバイスになり得るかもしれない。実際、そういう使い方ができる。
Ubuntuの創設者であるMark Shuttleworth氏は、「Ubuntu Edge」で人々にそう思わせようとした。英国時間7月22日に発表されたUbuntu Edgeは、ハイパワーの「Android」スマートフォンであり、ドックに接続して、Ubuntuによって完全なデスクトップとして使用することもできる。このデバイスは、熱意のあるユーザーをターゲットとして企画されたもので、これを実現するために過去世界最大級のクラウドファンディングキャンペーンが行われた。
Shuttleworth氏が正しいかはともかく、このUbuntuが成し遂げようとした野望は、無視できないものだ。またこの試みが、新しもの好きやパワーユーザーに、テクノロジ業界の製品開発に対する発言力を強める可能性もある。
Ubuntu Edgeは、クラウドファンディングによる史上最高額の資金調達を目指したが、残念ながら目標額を達成するにいたらなかった。製品化の実現は難しい可能性が高いが、本記事では、発表当初のShuttleworth氏の発言から、Ubuntu Edgeの狙いについての3つのポイントを読み取ってみる。
Ubuntu Edgeは、ドックと組み合わせることによって、完全なPCの代替品として使える、初めてのスマートフォンを目指した。Shuttleworth氏は、このハードウェアはそれだけの能力を持っており、Ubuntuは、他の試みで失敗したこのハードウェアとソフトウェアの統合に成功すると信じている。
Motorolaは「Atorix」とWebtopソフトウェアで同じことを目指したが、使われたのは800MHzのプロセッサ(第2世代は1.5GHz)、1GバイトのRAM、48Gバイトのストレージ(最大)だった。しかも、Webtopのデスクトップ体験は、ほぼ「Firefox」ブラウザのみに限定されていた。これらの2つの要因から、Motorolaのデバイスのデスクトップ体験は、全体として応答性も悪く、限定的なものだった。
Ubuntu Edgeでは、この問題を解決するために、2.4GHzのクアッドコアCPU、4GバイトのRAM、128Gバイトのストレージという、ずっとよいハードウェアを投入した。これは、ラップトップ水準の仕様をスマートフォンに詰め込んだものであり、確かに本物のPCと同じように動作するだろう。
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