スペイン、バルセロナ発--「Ubuntu」がスマートフォンやタブレットに、そして堂々とやって来る。筆者はモバイル業界のお祭りであるMobile World Congressで、近々登場予定のスマートフォンおよびタブレット向けOS「Ubuntu Touch」を直接触ってみた。第一印象としては、それは「Firefox OS」やサムスンが支援する「Tizen」などのライバルよりはるかに勝っていると言えるだろう。
Ubuntu Touchの開発元はCanonicalであり、10月には一般公開される予定だ。メーカーはまだ明らかになっていないが、そのOS自体は一部のGoogle 「Nexus」デバイスで試すことができる。筆者は、Googleのスマートフォン「Nexus 4」にインストールされたUbuntu Touchと、Googleの「Nexus 7」タブレットにインストールされたUbuntu Touchのタブレット版を試してみた。
スマートフォン版とタブレット版は、デザインと操作は同じである。違う点は、タブレット版の方がスクリーンの幅が広いことだ。次にこの新しいOSの機能を紹介する。
画面の上部には常に、細い黒いバーがあり、バッテリ残量や時間、携帯電話の電波状況といった、通常のステータスインジケータが表示されている。ただし、このバーには検索ボタンもあるので、スマートフォンやタブレットで何をしていても、あるいはどのアプリを使っていても、いつでもすぐに検索できる。これはとても便利だ。
アプリを開くショートカットの代わりに、ホーム画面には、メッセージや音楽、動画といった、ユーザーの「持ち物」が表示される。メインのホーム画面は、お気に入りの動画などのハイライトがそろう。筆者は、最新のメッセージを表示するウィジェットが気に入っている。そのウィジェットは、「Cover Flow」スタイルのように、横にスクロールするカルーセル方式で友達の写真を示しながら、メッセージを表示するようになっている。これはやり取りをしている相手を見る方法としては、テキストの一覧よりもはるかに親しみやすく、人間らしい方法だ。
左や右にスワイプすると、動画用のホーム画面、音楽用のホーム画面というように、さまざまな種類のコンテンツ専用のホーム画面が表示される。それによって、アプリではなく、ホーム画面にコンテンツを置くことになるので、素早く使える。
インターフェースにはボタンが使われていない。代わりに、指を画面の端から内側にスワイプすることがスタートになる。メインメニューを表示するには、左端から右にスワイプする。すると、画面の左側から、アプリのショートカットのカラムが出てくる。気に入ったアプリをいつでもそばに置いておけるように、カラム内のアプリや機能の順番を変更することもできる。
右端から左にスワイプすると、開いていたアプリが、開いた順番に再度スクロールされる。アプリは素早くスクロールされるが、目的のアプリに到達するまでに多くのアプリをスクロールさせなければならない場合には、Androidのタスク切り替え機能よりは時間がかかる。Androidの場合には、開いているアプリのサムネイルが出てきて、必要なアプリにすぐ到達できる。
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