7月1日~7月7日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
関東地方などで梅雨明けが発表され、夏がやってきた。出張で東京に居合わせた筆者は、サンフランシスコとは全く違う高い湿度と夜まで下がらない気温に、日本の夏を懐かしく思っているところだ。
強い直射日光と高い気温の中、屋外でiPhoneなどを使っていると時折「高温注意」の表示で操作ができないことがあるので注意が必要だ。デバイスの温度が上限を超えると、温度警告の画面が表示される。アップルのサポートページによれば、できるだけ早くデバイスの使用を再開するには、デバイスの電源を切り、気温の低い場所に移動して、デバイスの温度を下げるとのこと。
先週のAppleに関するニュースで注目は、iWatchの商標登録に関するもの。それでは、早速見ていこう。
Appleからの登場が期待されている腕時計型の情報デバイス、iWatch。ロシアに続いて、日本、メキシコ、台湾などでの商標登録出願がなされ、同名で発売されるかどうかは別にして、着々と足場がためを進めていると言ったところだろうか。なお米国や中国などでは他の企業によってiWatchの商標が出願されているようで、こちらに関しても解決していかなければならないだろう。
生産に関しては、CitigroupのアナリストGlen Yeung氏によると、「生産開始か待機かは6月中に決定が下され、現在では開始の結論になると推測している」とのコメントを出している。
一方、iWatchに関連するかどうか分からないが、興味深いAppleの人事がある。高級ファッションブランドイヴ・サン・ローランの元CEO Paul Deneve氏を、Tim Cook氏直属の特別プロジェクトに従事する副社長としてAppleに招き入れた。身につけるもののブランドを守ってきた経験を、Appleブランド、あるいはiWatchのような身につける新製品に生かすのではないか、と期待している。
アップル、日本で「iWatch」の商標登録を出願--Bloomberg報道(7月1日)廉価版iPhoneの登場が噂されるようになっているが、その高精細な予測画像が公開された。iPhone 5よりわずかに厚くなるとみられるこの筐体は、どちらかというとiPod touchのような背面ケースが採用されており、イエロー、レッド、グリーンなどのカラフルなイメージが示されている。
スペック面でも、iPhoneに対するiPod touchのような位置づけになるのではないか、と筆者は考える。Retinaディスプレイは共通化しながら、1世代前(登場時に最新チップがiPhoneに搭載されるとすれば、iPhone 5と同じ?)のチップの搭載、ハイエンドと同じ最新のiOS 7が動作するなど。
米国や日本などの市場で発売されるかどうかなど、詳しい情報などは明らかになっていないが、これまでケースで個性化してきたiPhoneユーザーにとって、選択肢が広がる楽しみを体験できるのではないだろうか。
廉価版「iPhone」?--うわさを元にした予想画像を米情報サイトが公開(7月6日)WWDC 2013で、Appleは、モバイル市場に対するAppleの影響力の高さを改めて強調した。例えばウェブのトラフィックに関して、スマートフォン市場ではiPhoneが59%、タブレット市場では82%ものシェアを獲得していることをアピールし、iOSデバイスの少ないラインアップによる高いブランド維持と、他社に類を見ない高い利益率を維持している強みを伝える。Appleが強調していることは、他社のデータを見ると、素直に受け取ることができる。
米国のスマートフォン市場は、Apple、Samsung、HTC、Motorola、LGの5社が中心となっており、これが固定化しているとコムスコアは指摘する。AppleとSamsungは激しい競争を繰り広げているが、iPhone 5登場で2012年末から米国市場のトップの座を獲得している。少数精鋭戦略の成熟による勝利だ。
CNETで配信された記事で、AppleとSamsungのモバイルビジネスに対するスタンスの違いについての指摘がある。世界でトップの座を維持しているSamsungはAppleとは対照的な戦略だ。非常に多くのラインアップを用意し、世界中に製品を供給して全ターゲットを狙うことにより、Androidスマートフォンの覇権を取ることができている。
また3位に付けるHTCはこれまで苦戦を強いられてきたが、デザインや性能面で非常に高い評価を受けるHTC Oneの成功により、雰囲気を変えつつあるように見える。一方で、Facebook Phone等と言われたFacebook Homeを標準搭載するスマートフォンHTC Firstは市場に受け入れられず、短期での撤退を余儀なくされている。同じメーカーであっても、デザインや性能、ターゲットなどによって明暗が分かれており、市場の難しさもうかがわせる。
今後、特にAndroid市場では中国メーカーに注目だ。低価格デバイスからハイエンドデバイスへ向けて、そのラインアップを広げつつある。AppleはAndroidを採用していないため、SamsungやHTCほどの影響は受けないかもしれないが、性能と価格の問題から、新興市場での普及では、全てのメーカーが等しく対峙していかなければならない。
米スマホ市場、上位企業の固定化が顕著に--コムスコア調査(7月1日)Financial Timesによると、Appleは英国で支払うべき税金を逃れる新たな方法を実施していると指摘している。株式報酬は控除対象となることを活用し、従業員に多額の株式報酬を供与することによって、税金をゼロにすることができたとしている。これはApple以外のグローバル企業を含む、様々な企業で行われている手法の1つだが、本国である米国でも納税回避について追究されるなど、国家とグローバル企業との間でのコンセンサスがとれずにいる状況が続いている。
また、クラウドの重要性をますます重視しているAppleは、データセンターを再生可能エネルギーだけで稼働させるなど、環境対策を進めている。自社のデータセンターだけでなく、地元の電力網へのグリーンエネルギー提供にも取り組むなど、企業主導でのエネルギー需給の変革が進む様子が見られる。
ボストン大学がAppleを提訴するという記事も入っている。同大学でコンピュータ工学を専門とするTheodore Moustakas教授が1997年に取得した特許を侵害しているとして、Appleへの提訴を踏み切っている。同大学は過去1年間にSamsungやAmazonに対しても同様の技術に関連して提訴を行っている。
対象となる技術については、「Highly insulating monocrystalline gallium nitride thin films」(高絶縁性単結晶窒化ガリウム薄膜)であり、同教授によって発明された半導体部品が対象となっている。iPhone、iPad、MacBook AirといったAppleのモバイルデバイスやコンピュータの主力製品が該当しており、その動向が注目される。
アップル、英国で新たな納税逃れか--従業員への株式報酬で(7月2日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス