もちろん、サムスンもHTCもそれぞれのデバイスから派生した「GALAXY S4 Active」や「HTC One mini」などを発売してはいるが、デバイスの外観を決めるのはメーカーであって、消費者ではない。
Moto Xのカスタマイズオプションは、携帯電話を製造して消費者に販売する方法を一変させ、消費者に自分のモバイルデバイスに対する新しい考え方を提示するものだ。
残念ながら、現実にならなかったうわさが1つある。価格が低めに設定されるといううわさだ。Moto Xは2年契約付きで199ドル。それなりの性能を備えるスマートフォンの標準的な価格だ。
しかし、GartnerのアナリストであるCarolina Milanesi氏によれば、Moto Xの外観をカスタマイズできることは、同スマートフォンがGoogleの真の旗艦デバイスとして位置づけられていることほど重要ではないという。Nexusプログラムは今後も続いていくが、Moto XがGoogleのハードウェア面での野心の対象になるとMilanesi氏は考えている。
「Moto Xは、エコシステムへのユーザー定着を促進するためにスマートフォンが進むべき方向だとGoogleは考えている」(Milanesi氏)
MotorolaはMoto Xで何かが始まることを期待している。Moto Xの次期バージョンで、同社はさまざまなプロセッサ、スクリーンサイズ、メモリといったカスタマイズ可能なコンポーネントの提供を開始して、さらに大きな管理権を消費者に与えるかもしれない。それが実現可能なのか、あるいは望まれていることなのかはまだ分からないが、同社がMoto Xで始めようとしていることの自然な進化にはなるだろう。
Motorolaにカンフル剤が必要なのは間違いない。2012年にMotorolaのモバイル事業を買収したGoogleにとって、Motorolaは財政面での負担となっている。同社は2013年第2四半期に3億4200ドルの損失を計上し、それよりもはるかに大規模なGoogleの利益を圧迫した。
MotorolaにはVerizon Wirelessという確固としたパートナーがいる。Verizonは先々週、米CNETに対して、Motorolaが「DROID」スマートフォンの独占サプライヤーになったことを認めた。しかしMotorolaは、Verizon以外の通信キャリアにおける存在感が薄く、iPhoneやGALAXY S4のように万人向けの魅力を持ち、広く流通している製品がまだない。
幸い、Moto XはVerizonを含むすべての主要キャリアで販売される予定だ。Appleやサムスン、HTCが採用してきた戦略を踏襲したものと言える。
Moto XがGoogleの強大なマーケティング力とカスタマイズアプローチによって、初代の超薄型フリップ式携帯電話「Razr flip」以来となる、複数の通信キャリアをまたいだ真のヒット製品になることをMotorolaは期待している。
Motorolaは少なくともMoto Xでこれまでと違うことを試みている。ほかのベンダーがスペックを重視したハイエンドの旗艦デバイスを次から次へと発表している時代において、Motorolaのアプローチは新鮮だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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