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マーケターがビッグデータを使いこなすための5過程--アドビ上原氏

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 日経BP社主催のイベント「モバイル&ソーシャルWEEK 2013」が7月23日から25日にかけて開催された。3日目の基調講演には、アドビ システムズのシニアプロダクトマネージャー兼エバンジェリストである上原正太郎氏が登壇した。デジタルチャンネルの戦略的活用によるマーケティングについて語った。

 上原氏は、マーケティングの世界においてデジタル領域の幅が広がってきたと語る。同時に、効果的なマーケティングを展開するためには、ウェブに限らずオフラインなどにおいて顧客との接点を作り、データをもとにマーケティングへとつなげる必要があるという。「テレビやPC、スマホ、タブレットなど様々な接点があり、どの接点にどのように触れるかというカスタマージャーニーが違う。それらをどのように分析するか。デジタルを中心とした戦略が重要だ」(上原氏)

 企業によっては、あるいは部門によってはデータの取り扱い方が異なり、データを統一化しないと効果的にマッチングできない。「複雑な組織と細分化によって、組織内の壁ができている」と上原氏は語り、データ・ドリブンに必要な時間とコストに無駄が生じているとした。そのため、アドビは「Adobe Marketing Cloud」を開発し、ばらばらだった部門間のメンバーによってデータを共有し、部門間のコミュニケーションを円滑にして、効果的なマーケティング戦略を組み込むためのソリューションを提案している。

アドビ システムズのシニアプロダクトマネージャー兼エバンジェリストである上原正太郎氏 アドビ システムズのシニアプロダクトマネージャー兼エバンジェリストである上原正太郎氏

 デジタル戦略のためにはアナリティクスを基礎として考える必要があると上原氏は語り、マーケターはアナリティクスをどう活用するかが今後求められてくるという。「アナリティクスを効果的に計測できている人は少ない。アナリティクスの効果などを踏まえ、何をしたいのかという目的ベースで思考することが大事だ」(上原氏)

 アナリティクスのためには、上原氏は「ビックデータ」が重要だと語る。マーケターこそ、効果的なアナリティクスのためにビックデータを活用することが求められているという。クリエイティブだけではない、マーケターのスキルが問われている。「ビックデータを考えることで、潜在的な顧客層が見えてくる。サイト内の動向やリファラーなどにユーザーを紐付け、Facebook情報やCRM、コールセンター情報、アンケート集計結果そして外部データなど、様々なデータを掛け合わせていくことで、リッチな顧客情報が浮かび上がってくる」(上原氏)

 上原氏は、ビックデータをマーケターが使いこなすためには、5つのプロセスが必要だという。1つ目が「取り込み」だ。いかにデータを集めていくか。スモールスタートして必要なデータを収集し、管理保管しアーカイブしていくことが重要だという。2つ目は「蒸溜」だ。加工できるほどのデータ量が集まったら、そのデータをもとに“インサイト”(消費者の本音)を丁寧に導き出す。3つ目は「キュレーター」だ。導き出したインサイトの情報を編集し、パッケージ化すること。

 4つ目は「広める」だ。編集された情報をビジネスオーナーやステークホルダーなどに提供し、スムーズな意思決定のための情報を提供する。5つ目は「最適化」だ。マーケターは新たに得たインサイトをもとに、テスティングの最適化として利用する。さらに、インサイトをもとに新しいソーシャルキャンペーンを見直したり、インサイトを使って広告作成と出稿の最適化を実施したりすることが可能となる。「これら一連のプロセスを踏まえることで、ビックデータを元にしたマーケティングに最適化された情報として活用することができる」(上原氏)

 また、テレビ、PC、スマホ、タブレットといったデバイスの進化によって情報量は増加しており、情報環境の変化に対してマーケティングも進化していかなければいけないと語る。「調査によると、昨年1年間を通じてビデオによるエンゲージメント率は42%から72%にまでシェアが増加した。ビデオコンテンツの充実によって、ユーザーのエンゲージメントを高められる」(上原氏)

 ビデオ、モバイル、ソーシャルの3つをどう取り扱っていくかが、今後の課題だという。この1年でビデオコンテンツのモバイル視聴回数は300%増加し、全ビデオコンテンツのうち、モバイル視聴率は10%を超えているという。メジャーなスポーツ視聴もデジタルを通じて2倍に増加し、モバイルによる視聴も16%のシェアがあるなど、ビデオコンテンツとモバイルの親和性は高い。

 「スマホよりもタブレットによって購入傾向が54%増加し、さらにノートPCに比べてタブレットでは19%も高い購入傾向が出てきたデータもある」と語り、ECやエンターテインメント、さらにはトラベル市場など様々な分野においてタブレットによるコンバージョン率は高まっているという。「世界中を見ても、タブレットからのトラフィックは昨年に比べて2倍になるなど、タブレット市場の進化は大きい。ここに大きなチャンスがある」(上原氏)

 PCからスマホ、そしてタブレットとデバイスの進化と同時にマーケターが考えるべきデータ分析は多岐に渡る。データ共有とコラボレーション、アナリティクスによる意思決定、そしてモバイルとソーシャル、ビデオコンテンツを踏まえながら、マーケターがどのようなアクションをとっていくかが、今後の他社との差別化を図る大きな要因となると語った。

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