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ヤフーがクラウドソーシングで描く世界--スマホで手軽に小遣い稼ぎ

藤井涼 (編集部)2013年07月26日 13時11分
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 新たなワークスタイルとして、最近注目を集めている「クラウドソーシング」。ネット上で不特定多数の相手と仕事の受発注ができるサービスで、ユーザーは時間や場所にとらわれずに働けるのが特徴だ。

 国内でも「Lancers」や「CROWD」をはじめ、数年前からクラウドソーシングサービスは提供されていたが、ここ1~2年でまた新たなサービスが登場し、利用者も増加傾向にあるようだ。たとえば、2012年3月に公開されたエンジニア・デザイナーに特化した「クラウドワークス」は、サービス開始から1年と数カ月ですでに1万社の企業と、4万5000人近いユーザーに利用されているという。

すき間時間で小遣い稼げる「Yahoo!クラウドソーシング」

 今後ますます盛り上がりをみせるであろうクラウドソーシング市場。ここに1月から参入したのが、大手検索ポータルサイトを運営するヤフーだ。同社では報酬として「Tポイント」が得られるクラウドソーシングサービス「Yahoo!クラウドソーシング」を提供している。

  • ユーザーが作業するタスクのイメージ

 サービスのコンセプトは、移動中などのすき間時間に、スマートフォンやPCを使って手軽に小遣い稼ぎができること。そのため、企業と契約して成果物を納品するといった専門性が求められる作業ではなく、データ入力やチェック作業などいわゆるマイクロタスクに特化しているのが特徴だ。1回のタスクにつき1~4ポイントのTポイント(旧Yahoo!ポイント)を得ることができる。

 サービス開始から約半年の7月時点で登録ユーザー数は10万人を突破。デイリーのアクティブユーザーは5000~6000人にのぼるという。現在は提携するクラウドワークスやnanapiの案件への誘導を除き、ほとんどがヤフー社内の案件となっており、実施されたマイクロタスクは1200万件を超える。

 「国内のクラウドソーシングサービスは最大手でもまだ数十万ユーザー。他社が数年かかっているところを、数カ月で我々は乗り越えているのではないか」――そう語るのはYahoo!クラウドソーシング サービスマネージャの中川雅史氏だ。

  • ヤフー メディアサービスカンパニー Yahoo!クラウドソーシング サービスマネージャの中川雅史氏(右)と、インディバル代表取締役社長の渡邉英助氏(左)

 ユーザーが作業したマイクロタスクは、企業のさまざまなサービスや機能に反映される。たとえばヤフーの案件であれば、ある地名の読みがなを入力する作業は「Yahoo!地図」に、あるアイテムのカテゴリ別けの作業は「Yahoo!ショッピング」や「ヤフオク!」のサービス向上に生かされる。

 「サイト上では『データの整理にご協力下さい』と説明しているわけではないので、ユーザーからすると何をしているのか見えにくい部分もある。しかし、実際にはそれが企業のお手伝いになっている。また、ユーザー目線で整理してもらうことで、よりサービスの質も上がる」(中川氏)。

 ただし、不当にポイントを稼ごうとする悪質なユーザーも少なからずいるため、クオリティ担保のために信憑性をチェックをする問題を仕込んでいるという。たとえば、犬の写真に対して「これは犬ですか?」といった知識がなくても答えられる質問を出し、それでも数問にわたり誤った回答をするユーザーについては、企業によっては案件を受けられないようにしている。また特に悪質なユーザーについてはアカウントを停止することもあるという。

クラウドソーシングの認知度を上げたい

 登録ユーザーは順調に増加しているYahoo!クラウドソーシング。その一方でタスクの数が少なく、ユーザーに満足にポイントを与えられないことが目下の課題だという。同社では当初8件のタスクを用意していたが、予想以上にアクセスがありすぐにタスクが不足。そのためサービス公開から数日でタスクを1~2件まで減らし、作業可能な回数も1件あたり5回までと制限した。その結果、ユーザーが1日に稼げるポイントは5~10ポイント程度となってしまった。これでは1日10ポイント稼いでも月間で300ポイント(300円相当)程度だ。

  • 7月26日時点でも掲載されている案件は2件しかなく寂しい印象

 なぜタスク不足に陥ってしまったのか。それはこれまで他社の案件をほとんど提供していなかったためだ。5月末から営業活動を始めたこともあり、6月末までにサービスを利用した企業は5社のみ。また「クラウドソーシング自体の認知度が低いため、ご説明をしても実際に自社のどんな課題が解決できるのかをなかなか想像してもらえなかった」(中川氏)という。

 そこで7月から提供を開始したのが、クラウドソーシングを活用したサイト診断サービス「サーベイドクター」だ。3000人の登録ユーザーがクライアント企業のウェブサイトに関するアンケートに回答し、そのユーザー評価レポートを企業へ提供する。診断から評価までにかかる時間は最短で1週間程度。また、クラウドソーシングの認知度の向上を目的とするため、価格も5~10万円と安価に設定した。

  • サイト診断サービス「サーベイドクター」

 営業面では、ヤフー子会社で求人ポータルサイトを運営するインディバルと、在宅勤務を推進するライフネスが販売を担当する。インディバル代表取締役社長の渡邉英助氏は「ヤフオク!が十数年前に登場したとき、家にあるいらないものを欲しい人に提供して利益が得られる世界を作ることができたと思っている。Yahoo!クラウドソーシングでは、個人の方々の余った時間を提供していただくとお小遣いに変えられるという世界を作っていきたい」と語った。

 同社では、6月末時点で累計10万の登録ユーザー数を「直近で20~30万人まで増やしたい」(中川氏)としている。また、2015年度末で単月でのクライアント企業数1000社を目標に掲げており、「2014年度末には累積300~400社には利用されるサービスへと成長させたい」(渡邉氏)と意気込んだ。

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