動き始めたネット選挙運動--各政党候補者の参議院選挙のネット活用

 2013年7月4日に公示日を迎えた第23回参議院議員選挙。7月21日の投票日まで、各政党や候補者は毎日各地を動き回りながら、選挙期間を過ごしている。

 今回の参議院議員選挙で注目されるポイントの1つは、ネット選挙運動の解禁だ。これまで選挙期間にはインターネットを使った選挙運動が禁止されていたが、今回からそれが可能となった。これより、選挙期間中もブログやSNSなどの更新をリアルタイムに投稿できるようになり、選挙の情報を積極的に発信していこうと各党ともに取り組みを始めている。

 初のネット選挙運動における各政党や候補者のソーシャルメディアの活用などをまとめていきたい。

動き始めた各政党のネット選挙の取り組み

 自由民主党(自民党)は、党としてウェブサイトやFacebook、Twitter、YouTube、ニコニコ動画、LINEを用意。また、専用のスマートフォンアプリを用意し、政党の公式情報などの発信をおこなっている。9割近い候補者がFacebookを活用し、ブログやTwitterも4~5割程度の候補者が活用するなど、党をあげてネット選挙に取り組む姿勢を見せている。

 2009年頃から自民党はコミュニケーション戦略会議を毎週開催し、インターネットも含めた広報活動に対する意識を高めていった。そのため、ネット選挙運動の解禁の前段階から、準備をしてきたと言える。さらに、「Truth Team」と呼ばれるインターネット上のネガティブな情報に対しての対策部門も設置。誹謗中傷などに対しても迅速な対応ができる体制を整えている。

 民主党は、自民党と同様にウェブサイトや各種SNS、Youtubeやニコニコ動画、LINEなどを用意し、情報発信をしている。ネット上のシンポジウム「声!CAFE」では、衆議院議員も含めて積極的に政策討論を展開。街頭演説が終了する20時以降には、有識者などと対談しその様子を生中継するなど、候補者それぞれがネットを上手に活用している。

 参議院選挙用の特設サイトでも、ジャンルを超えて各分野の有識者から日本を良くするアイデアを掲載するなど、熟議を主体として有権者とともに政策討論をしてきた民主党は、選挙期間中においてもソーシャルメディアによる双方向性を積極的に展開しようとしている。

 公明党は、連立与党である自民党よりも活発にインターネットを活用している様子だ。各候補者のSNSなどの利用率も高く、投稿数やFacebookページのいいね!数も多い。政党の公式サイトでも候補者の各種SNSアカウントやプロフィールページへの導線がしっかりしているなど、デザインや発信のコンテンツ作りに力を入れている様子が伺える。

 日本共産党(共産党)や社会民主党(社民党)などは、ブログやSNSなどを積極的に活用していきたいと意思表明し、党首自らもアカウントを設置し情報発信をしている。他党と同様にウェブサイトやFacebook、Twitter、LINEなどのアカウントを作成しているが、党首の意識に比べると候補者の利用率は低い。 まだまだ政党全体としてのネット活用はこれからとも言える。 共産党は、「カクサン部」というゆるキャラを利用して分かりやすく政策を発信するなどの取り組みを展開するなど、独自の活動も見せている。

 みんなの党は、党としてよりも候補者それぞれの個性をもとに独自の活用を見せている。自民党や民主党に比べると、ブログやFacebook、Twitterなどのアカウントも約7割近い候補者が活用しており、他党に比べると利用率は高い。SNSの中でも、主にTwitterを中心を活用。政党としてはFacebookでは各地の選挙の様子を写真とともに定期的に投稿するなど、議員それぞれの活動をバックアップしている。

 生活の党も、党としてよりも個人の活用が主体だ。候補者それぞれがFacebookやTwitterのアカウントを持ち、積極的に情報発信している。また、小沢一郎代表の声を動画中継し、政策を発信している。

 日本維新の会は、各種アカウントを設置しているものの、積極的な活用にまでは至っていない様子だ。緑の党は、他党の同様に各種アカウントを設置しているが、政党よりも個人による活用が中心だ。

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