Windowsの販売に貢献するレガシーPC事業は減速しており、PC出荷台数は5四半期連続で減少中だ。Gartnerの先週の発表によると、全世界のPC出荷台数は前年同期比で10.9%減少したという。Windows Phoneはシェアを伸ばしてはいるが、「iOS」や「Android」との差は大きく、Appleやサムスンのデバイスのように誰もが欲しがるものにはなっていない。
「それがWindows Phoneの課題だ。第3の選択肢が何を意味するのかをあらゆる人が理解できるように支援するという、とてつもなく大きな責任がある」。NokiaのCEOであるStephen Elop氏は米CNETとのインタビューでこのように述べた。
Nokiaが7月11日に発表した新スマートフォン「Lumia 1020」は、モバイルの革新とMicrosoftを結びつけ、Windowsモバイルデバイスの魅力を高めるのに何らかの形で貢献するかもしれない。Windows PhoneだけをサポートするLumia 1020スマートフォンは41メガピクセルのカメラを搭載。米CNETのレビュアーはそのカメラについて、専用のオートフォーカスカメラや、デジタル一眼レフカメラにさえも取って代わる可能性があると示唆している。
NokiaのLumia 1020は注目を集めるという点において、Microsoftの自社製ハードウェアであり革新的なタブレット兼ノートPCであるSurface以上に貢献するかもしれない。NPD Groupの調べでは、2013年の最初の5カ月間、AppleのiPadとGoogleのAndroid搭載デバイスが依然としてタブレット分野を支配しており、「MacBook Air」は米国の薄型軽量ノートPC市場で56%のシェアを獲得した。
潤沢な資金と伝説的な粘り強さを持つMicrosoftはいつものように、新しいSurfaceデバイスを発表して、Appleやサムスンなどの競合他社に戦いを挑んでいる。また、Microsoftのパートナー各社は「Window 8」ベースの「2-in-1」デュアルデザインの開発に取り組んでおり、秋商戦に間に合うようにそれらを発表する予定だ。
しかし、その戦いにおいて、組織再編はそれほど強力な武器になるわけではない。Microsoftは同社とWindowsプラットフォームに対する心情を劇的に変えるデバイスとサービスを迅速に発表する必要がある。
10万人の従業員と740億ドルの売上高を誇り、巨額の利益を上げる創設38年目の企業にとって、機敏さを高め、より小規模で俊敏な競合他社と同じ速度で革新を行うことは困難だ。間もなく創設から15年目を迎えるGoogleは「Google Glass」や自動運転車、「Google Now」で限界に挑戦し続けており、それと同時に「Google Apps」によって、Microsoftと法人顧客をめぐる争いを繰り広げている。AppleはMicrosoftと同じくらい古い企業だが、Microsoftとは成長の過程が全く異なっていた。Steve Jobs氏は1997年にAppleに復帰して、同社を率いるようになったとき、自身の唯一無二のビジョンを再度掲げた。その結果生まれたのが「iPod」や「iPhone」、iPad、MacBook Airだ。サムスンはAndroidモバイルプラットフォームを理解し、かつてのWindowsにとってのDellのような存在になることに成功した。
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