先頃、完全な「WebReal-Time Communication」(WebRTC)が導入された「Google Chrome」に続いて、「Firefox」も米国時間6月25日のアップデートによって、プラグイン不要の同プロトコルをサポートする2つめのブラウザになった。
「Firefox 22」(「Windows」版、「Mac」版、Linux版)がWebRTCに対応したのは、些細なことではない。MozillaのFirefoxエンジニアリング担当バイスプレジデントであるJohnathan Nightingale氏は、「プラグインは、われわれが確認できるセキュリティおよび安定性問題の最大の根源だ」と述べた。
同様に25日にアップデートされた「Android」版FirefoxもWebRTCに対応する予定だが、現時点では、同プラグインは同モバイルブラウザにまだ追加されていない。
一見すると、WebRTCはSkypeに酷似している印象を与える。WebRTCは、ユーザーが「PeerConnection」コンポーネント経由で1つのブラウザから別のブラウザに音声および動画通話を行うことを可能にするが、「DataChannels」と呼ばれるコンポーネントによって、2つのブラウザ間で直接データを転送することもできる。これら2つの機能は、25日に公開されたFirefox安定版の新バージョンに追加されている。
WebRTCについて話しているとき、興奮で座席から飛び上がりそうになったNightingale氏は、「WebRTCはSkypeとどこが違うのか、という質問は的外れである。WebRTCは、それ以上のものだ。800万人の開発者がウェブカメラや音声リミックスツールにオンラインでアクセスできる」と述べた。
新しいFirefoxでは、「asm.js」も有効になっている。asm.jsは、JavaScriptの処理速度を高めて、ネイティブコードとほぼ同じ速さで読み込めるようにするために、Mozillaが開発したサブセットだ。Nightingale氏は、「『OdinMonkey』(Firefoxの新しいJavaScriptエンジン)上で、asm.jsと(JavaScriptコンパイラの)『Emscripten』を組み合わせると、高速化を実現できる」と述べた。非常に高速なので、ゲーム会社Epicの開発者たちは「興奮」していた、と同氏は説明した。
デスクトップ向けFirefoxのほかの変更点には、「Canvas」が非同期に更新されるようになった(つまり、Firefoxがハードウェアのグラフィックスチップをより効率的に使用するようになる)ことによる「WebGL」の描画性能の向上や、画像読み込み時のメモリ管理の改善、ウェブアップデートがブラウザタブに表示されるようにする「Web Notifications API」のサポート、「Mac」の「Dock」アイコンへのダウンロード進捗状況インジケーターの追加などが含まれる。
Android版Firefox 22は現時点ではWebRTCもasm.jsもサポートしないが、「そのうち」いずれの機能も同モバイルブラウザに追加される予定だ、とNightingale氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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