Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏が2012年10月、開発者カンファレンスBuildで壇上に立ったとき、同社は前週に「Windows 8」を発売したばかりで大きな注目を集めていた。
Build 2012の初日のビッグニュースは、Windows 8がわずか4日で400万本販売されたことだった。
Build 2013は米国時間6月26日にサンフランシスコで開幕する。Windows 8にとって、ちょっとしたリセットになるだろう。Windows 8をめぐる興奮はとうの昔に消え去っており、同OSはアナリストやPCメーカー、開発者が期待したほどPC販売を活気づけていないのではないか、との懸念がその興奮に取って代わった。Windows 8が登場してからPCの販売台数は減少しており、一部のアナリストはWindows 8に対する関心の薄さがその原因だと考えている。
もちろん、Microsoftが勢いの低下を認めることはないだろう。何と言ってもBuildは、MicrosoftがWindows 8をきちんと仕上げることを当てにしている人々のための決起集会だからだ。また、Windows 8には懸念もあるが、同OSの販売本数は5月時点で1億本に達している。成熟市場においては極めて大きな数字だ。
しかし、同社はWindows 8に一連の変更を施している。Buildでは、それらの変更点を集まった開発者たちに説明するだろう。変更点の多くは、過去のあらゆるWindowsバージョンに提供されたのと同種のものや、同OSの性能を向上させるアップデート、不要なものを取り除くフィックス、複雑さを軽減する微調整などだ。
だがMicrosoftは、いくつかの対策を講じて一部の忠実な顧客からの声高な批判に対処しようともしてきた。Windowsの過去のバージョンに慣れていたために、タッチ操作が中心でタイルベースの新インターフェースに不満を覚えた顧客だ。一部の顧客は、タイルベースのインターフェースでスタートメニューに簡単にアクセスできる方法を求めている。PCを起動すると慣れ親しんだデスクトップインターフェースがすぐに表示される機能を求める顧客もいた。
Microsoftは5月、少なくとも部分的に、ユーザーが求める機能のいくつかを提供することにしぶしぶ同意した。Buildで発表予定の「Windows 8.1」のプレビューエディションには、Microsoftが「Start Tip」と呼ぶものが含まれる予定だ。スタートメニューを立ち上げる従来のスタートボタンに半歩近づく機能である。Start Tip(画面の左下に表示されるWindowsロゴ)をクリックすると、スタート画面が表示される。Microsoftは、PCの起動後にどちらのモード(デスクトップかタイル)を表示させるのかをユーザーが選択できるようにもする予定だ。
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