ニューヨーク発--Appleは市場の全電子書籍の約4分の1を販売していると、同社上級幹部が米国時間6月17日、電子書籍の価格操作をめぐる裁判の法廷で証言した。
Appleのソフトウェアおよびサービス担当シニアバイスプレジデントEddy Cue氏は、同社の電子書籍市場でのシェアは推定25%で、Barnes & Nobleとほぼ同程度だと述べた。両社の順位は頻繁に入れ替わっており、Barnes & Nobleの市場シェアがAppleを上回ることもあるという。
「両社は拮抗していると思う。その時々で順位は前後する」(Cue氏)
対する米司法省はこの日、「iBooks」リリースから約半年後の2010年10月にCue氏が送信した、Appleの電子書籍ストアは失敗だという内容のメールを提示した。Cue氏はメールの中で、Random Houseの書籍を「iBookstore」で取り扱わない限り成功は不可能だと述べている。Cue氏は当時、Appleの電子書籍市場でのシェアを20%と見積もっていた。
「電子書籍ストアは失敗だと私も思う。Random Houseはエージェンシー契約を望んで(おらず)、米Amazonと手を結んで(いる)ので答えは見えない。Random Houseを獲得しない限り成功はなしえない」と、2010年10月の時点でCue氏は述べている。
最終的にAppleは契約をとりつけ、iBookstore開設から1年後の2011年初めにRandom Houseの書籍をiBooksに追加した。しかし米司法省は、Appleが2010年末にRandom Houseのアプリケーションを容認しないと脅し、それによってRandom HouseにiBooksのパートナーになることを強要したと主張している。
これについてCue氏は、「脅していない。ノーと言っただけだ」と述べている。
「Random Houseは書籍アプリの開発を望んでいた」が、そのようなアプリは消費者の混乱を招くとCue氏は指摘し、Appleには「iBookstoreでの販売を望んでいない出版社と提携する意思や希望はなかった」と述べた。
Cue氏はこの日、iBooksが今以上に成功していないのは、Appleが電子書籍の価格上昇を招いたと消費者が受け止めているからだとする米司法省の主張にも反論した。iBooksは十分成功していると思うが、「さらなる成功を望む」とCue氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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